移動中や作業中に聴く音楽は、どの配信サービスで聴いていますか?
SpotifyやApple Music、YouTube MusicにAmazon Music Primeなどさまざまな音楽配信サービスがありますが、それらのサービスにはユーザーが作成したプレイリストが存在します。
今回は、そんな配信サービスのプレイリストの中から、ファッションギーク必見のファッションブランドが公開しているプレイリスト10選をご紹介。
〈Chrome Hearts〉や〈CHANEL〉、〈Gucci〉などのラグジュアリーブランドを始め、坂本龍一が〈ARTS&SCIENCE〉のために作成したプレイリストなどを紹介していきます。
ブランドの世界観にマッチしたプレイリストを始め、シーズンコレクション用のプレイリストなど多様な選曲を楽しめるのが配信サービスのプレイリストの魅力です。
ファッションと音楽は、きってもきれない関係性です。
多くのファッションデザイナーは、音楽から多大なインスピレーションを得ていますし、ショップの空間を彩る選曲はブランディングに大きな影響を与えます。
そのため、たくさんのファッションブランドがプレイリストを作成・公開していますが、それを整理してまとめている記事がなかったため、自分で作ることにしました。
今回は、ラグジュアリー、モードからストリート、スポーツまで幅広いジャンルの中からのおすすめ10選をご紹介していきます。
では、いきましょう!
ファッションブランドが公開しているプレイリスト10選
ではさっそく、ファッションギークにおすすめのプレイリスト10選をご紹介。
今回は、僕自身が利用しているSpotifyにあるプレイリストをリンク付きでご紹介していきます。
Spotifyは、無料プランでもプレイリストを聴けますので、リンクからそのままお楽しみくださいね。
(※記載したプレイリスト数は2023年11月21日時点の数です)
音楽配信サービスや、ポッドキャスト、音声メディアについては、【ファッションギーク向け】おすすめのラジオ・ポッドキャスト10選をご紹介で詳しく解説しています。
ぜひそちらも読んでみてください。
Chrome Hearts
1つ目のプレイリストを公開しているブランドは、〈Chrome Hearts(クロムハーツ)〉です。
雑誌や動画メディアでのプロモーションが極端に少ない〈Chrome Hearts〉ですが、実はオフィシャルでプレイリストを公開しています。
公開されているプレイリストは計11リストです。
〈Louis Vuitton〉や〈Off-White™️〉を率いた故ヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)や、〈Chrome Hearts〉の創設者リチャード・スタークの次女、フランキー・ベル・スターク(Frankie Belle Stark)などが選曲したプレイリストを楽しめます。
特にヴァージルの選曲は、彼のデザイン哲学にも通ずるジャンルを超えた選曲で、かなりグッとくるセレクトです。
UNDERCOVER(JUN TAKAHASHI)
2つ目は、〈UNDERCOVER(アンダーカバー)〉の高橋盾のプレイリスト『Kosmik Musik』です。
ファッションにとどまらず、音楽、ランニング、アートなど、モノゴトを深くまで掘り下げ、それを作品としてリリースし続けている高橋盾。
そんな彼が、公開している125ものプレイリストがこの『Kosmik Musik』シリーズです。
『Kosmik Musik』は、高橋盾が都内の自宅から葉山のアトリエまでの車通勤の時間、約1時間20分のドライブ用として作られたもの。
長年積み上げてきた、極端なほどの高橋盾のインプットをのぞき見している感覚を味わえます。ファンは必聴ですよ。
比較的古めの邦楽~洋楽がセレクトされたプレイリストは、圧巻の一言。
普段かたよった音楽ばかり選曲してしまう僕にとって、新たな音楽に触れる機会をもらえるプレイリストです。
AMBUSH
3つ目のプレイリストは、〈AMBUSH(アンブッシュ)〉です。
ワークショップやイベント、新商品のリリースのタイミングで、そのテーマに沿ったプレイリストを随時公開しています。
ジュエリーや洋服を中心に展開しているブランドでありながら、NFTやメタバース、デジタルファッションなどweb3領域にもチャレンジし続けている〈AMBUSH〉らしく、新旧さまざまな音楽をセレクトしているプレイリストです。
DJ・アーティストでもあるバーバル(Verbal)と、デザイナーのユン(Yoon)のプレイリストということもあり、期待通りのダンス・ミュージックが中心のプレイリスト。
その他にも、シティ・ポップのプレイリストなどもあり、気分に合わせて楽しむことができるラインナップです。
ARTS&SCIENCE
4つ目は、〈ARTS&SCIENCE(アーツアンドサイエンス)〉です。
故坂本龍一が、〈ARTS&SCIENCE〉のために作成した47曲のプレイリスト。
プレイリスト公開時の坂本龍一からのメッセージがこちら。
年をとると、着心地の良いラクな服、
それでもスタイリッシュに見えるものを、ということになる。
スティーブ・ジョブズのように「毎日同じものを着ていたい」と思うようになった僕は、
この15年ほどARTS&SCIENCEのシャツを好んでいる。
ほとんどそればかり着ていると言ってもいいかもしれない。
特にスタンドカラーのシャツが好きだ。
いったい何枚持っているんだろう。そんなお気に入りのARTS&SCIENCEを率いるソニアさんから
「お店のBGM用にプレイリストを作ってもらえないか」と相談された。
うれしくて、すぐに「もちろん」とLINEで返信した。服や小物の形や色の邪魔にならないように、
それでも無機質にならないように、
硬質になりすぎないように、
お店のスタッフの耳のじゃまにならないように。僕がプレイリストを作る時は、
基本的に自分の曲は入れないのだけれど(自分が居心地が悪くなるから)
ソニアさんから「ぜひ入れてください」と言われ、
少し遠慮しながら選曲してみた。ARTS&SCIENCEには熱狂的なファンが多いだろうから、
ARTS&SCIENCE
その方々にこのプレイリストを気に入ってもらえるのか少し心配ではある。
2023年3月7日 — 坂本龍一(音楽家)
このメッセージを読んでから、プレイリストをゆっくり聴いてみてください。
〈ARTS&SCIENCE〉の洋服やアイテムの雰囲気のように、丁寧でゆったりとした時間を過ごすことができますよ。
CHANEL
5つ目は、〈CHANEL(シャネル)〉のプレイリストです。
〈CHANEL〉と関係性のアーティストや著名人がセレクトしたプレイリストや、シーズンコレクションのサウンドトラックなどがあります。
G-DRAGONやBLACKPINKのジェニー、日本人から唯一選ばれたギタリストのいちか にとう(Ichika Nito)などのプレイリスト、計22リストを楽しめます。
BLACKPINKのジェニー(Jennie)のプレイリストは、Daniel Caesar、FKJ、SZAのチルでドリーミーな曲を選曲していて、僕の好みにドンピシャでした。
がんばった日の最後に、ゆっくりお酒でも傾けながら聴いてみてくださいね。
GUCCI
6つ目は、〈Gucci(グッチ)〉です。
〈Gucci〉は、ラグジュアリーブランドの中でもとりわけNFTやメタバース、デジタルファッションや音楽配信サービスを利用した取り組みに力をいれているブランドです。
前クリエイティブ・ディレクターのアレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)は、大の音楽好きとして知られ、日本に訪れた際は、中目黒にあるカセットテープ専門店「waltz」や原宿のレコードショップ等に通うことでも知られています。
〈Gucci〉のプレイリストは、そんなアレッサンドロ・ミケーレ時代から、現クリエイティブ・ディレクターのサバト・デ・サルノ(Sabato De Sarno)時代までの、計47ものプレイリストを楽しめる内容です。
Cigarettes After Sexから始まる「Gucci Epilogue」は、Morrissey、Vincent Galloなど、オルタナティブロックを中心にセレクト。
1つの映画を見ているかのような構成がたまらなく魅力的です。
BEAMS
7つ目は、〈BEAMS(ビームス)〉のプレイリストです。
〈BEAMS〉の音楽専門レーベル〈BEAMS RECORDS〉から公開されている66のプレイリストは、スポーツ、コーヒータイム、春夏秋冬、音楽ジャンル毎など、さまざまな角度からキュレーションされたプレイリストとなっています。
「カルチャーショップ」の一面をもつ〈BEAMS〉らしい、多面的でありながら深掘りされたプレイリストは、圧巻の内容。
お気に入りは、BLACK Genius//Kiko Fujimoto form BEAMS RECORDS。
世代が近いのかな、懐かしい気持ちになるセレクトが多く、とても気持ちのいいリストでした。
これだけのコンテンツを無料で楽しめる令和の時代、最高ですね。
Ralph Lauren
8つ目は、〈Ralph Lauren(ラルフローレン)〉です。
〈Ralph Lauren〉からは、カリフォルニアやミラノ、マイアミなどの都市をテーマにしたセレクトと、ビスポークスタイルやレーベルなどをテーマにした計17のプレイリストが公開されています。
〈Ralph Lauren〉は、カジュアルなラインからドレススタイルまでの幅の広さが魅力の1つですが、プレイリストにもそれが反映されています。
襟を正したい場面では、「Bespoke Notes」のクラシックがセレクトされたプレイリスト。
海へのドライブは「RL California Dreaming」など、TPOにおうじて音楽を楽しめる内容です。
Nike
9つ目は、〈Nike(ナイキ)〉のプレイリストです。
〈Nike Tokyo〉のアカウントから公開されている44のプレイリストには、藤原ヒロシ、野村訓市、IO、WACO MARIA、sacaiなど、クリエイターからアーティスト、ファッションブランドまで豪華なメンツが揃っています。
〈Nike Tokyo〉のプレイリストには、音楽以外にも詩の朗読「(X)Read」や、ジャンルを超えたトークセッション「(X)TALK」など盛りだくさんの内容です。
〈sacai〉や〈WACO MARIA〉がオフィシャルで公開しているプレイリストは非常に珍しいので、それを聴けるだけでもありがたいプレイリストです。
〈Nike〉だからこそ実現できる豪華なプレイリスト、ぜひ通勤時間や散歩中に楽しんでみてください。
adidas
最後に紹介するプレイリストは〈adidas(アディダス)〉です。
〈adidas〉からは、Stan SmithやForumをテーマにしたリストや、〈adidas Originals〉のイメージに沿った曲をセレクトしたプレイリストなど計11リストが公開されています。
コラボレーションしていたり、〈adidas〉を着用していたりするアーティスト、また〈adidas〉をテーマにした曲などをセレクトしたプレイリストが中心です。
〈adidas〉ファンは必聴のプレイリストとなっています。
「adidas Originals」のプレイリストは、Run-D.M.C.からPharrell Williamsに繋がる流れから始まります。(中盤には、Kanye WestやBeyoncé、Dua Lipaも)
このベタで直球なセレクトは、1日の始まりのエナジー補給としてオススメです。元気でますよ。
おわりに
今回は、ファッションブランドが公開しているプレイリスト10選を紹介してきました。
ラグジュアリーからストリート、モードブランドまで多くのブランドが、プレイリストを公開しているのをお分かり頂けたと思います。
今回、プレイリストをまとめながら感じたこととして、ファッション業界のトップにいるデザイナーやアーティストは、もれなく膨大な量と深さの音楽を掘っているということ。
ジャンルや年代を超え、インスピレーションの源泉として、また人生の相棒として音楽に触れていると感じました。
新しい音楽に触れる喜びは理解しつつも、どこから聴いていけばいいかよく分からない人は、ぜひ今回のキュレーションされたプレイリストで音楽の海に飛び込んでみてくださいね。
では、また。