【ファッションギーク必見】AIと人間がつくるデザインコンテスト「AI Fashion Challenge」で生成AIを身近に感じてみよう

日々新しいツールがリリースされ続けている生成AI。

普段からさまざまな生成AIに触れ続けている人間にとっても、その変化速度に目まいが起きている人も多いのではないでしょうか。

ファッション業界も例外ではなく、PRやデザインソース、マーケティングに生成AIを活用し始めた企業やブランドが増えてきました。

そんな中、画像生成AIを活用したファッションブランドを作るコンテストが開催され話題となっています。

画像生成AIによるデザインコンテスト「AI Fashion Challenge」は、第6回まで開催されているファッションコンテストです。

このコンテストは毎回異なるテーマを持っており、そのテーマをもとに参加者が作品を応募する流れです。

受賞作品は、メタバースで着用できるアイテムになったり、フィジカルアイテムとしてリリースされたりもします。

2022年の秋頃から比べると、格段に画像の精度が上がった画像生成AIですが、実は無料で試せるツールもあります。

僕は、Midjourneyの有料プランを使っていますが、無料でもBing Image CreatorやDALL-E3などが簡単に使用可能です。生成AI初心者にとっても、導入ハードルは大幅に下がってきているのが生成AIの現在地となります。

そんな今回は、「AI Fashion Challenge」で出展されている作品とそのプロンプト(キーワード)を一緒に見ていき、画像生成AIとファッションの現在を感じてみましょう。

難しい用語はなるべく使わずに解説していきますので、安心してついてきて下さいね。

AI Fashion Challengeとは

引用:Open Fashion

「AI Fashion Challenge」とは、画像生成AIを活用した”ファッションブランド”を作るコンテストです。

生成AI技術を活用したサービスやプロダクトを提供する株式会社OpenFashionが開催しています。

現在、第6回まで開催されているこのファッションコンテストは、毎回異なるテーマを持っており、そのテーマをもとに参加者が持ち寄った作品で競い合うコンテストです。

審査方法は、OpenFashionのプラットフォーム内投票と、審査員の投票により決定するよ。

参加方法は、自らテーマに沿って作った「ブランド」のファッションアイテムをMidjourney(ミッドジャーニー)をはじめとした画像生成AIでデザイン生成し、OpenFashionのサークルに投稿する流れです。

第2回のコンテストでは、2,000通をこえる応募が集まり、「ファッション」×「生成AI」の注目度の高さがうかがえました。

Open Fashionとは

引用:Open Fashion

「OpenFashion」は、生成AIのデザインコンテスト「AI Fashion Challenge」やAIファッションブランド「accelerando.Ai(アッチェレランド ドット エーアイ)」、ファッションAIツール「MaisonAI(メゾン エーアイ)」の運営、開発をおこなっている企業であり、そのプラットフォームの名称です。

生成AI、バーチャルファッション、web3 などの最新テクノロジーを活用し、オンラインコミュニティと組み合わせにより、ファッションのクリエイティブフローを根本的に変えることを目指している企業でもあります。

accelerando.Ai

引用:Open Fashion

「accelerando.Ai(アッチェレランド ドット エーアイ)」は、生成AI技術を活用したファッションブランドです。

「accelerando.Ai」は、ファッションとAI、そして最新のテクノロジーを組み合わせたサービスやプロダクトの開発に取り組んでいます。

引用:Open Fashion

「AI Fashion Challenge」で入賞した作品を、「accelerando.Ai」から商品化し、フィジカルのTシャツを発売したり、ソーシャル系メタバース「ZEPETO(ゼペット)」でデジタルスキンとしてリリースしたりしています。

引用:Open Fashion「ZEPETOでリリースされたデジタルスキン」
引用:Open Fashion「Midjourneyで生成された元デザイン」

未来的な素材感とシルエットが、ZEPETOの仮想空間とマッチしそう!
これが、生成AIで瞬時にデザインされると思うと、「時代は変わったなぁ」と思わざるを得ませんね。

今後も「accelerando.Ai」ではフィジタル(フィジカル×デジタル)アイテムが続々とリリースされる予定とのこと。

ZEPETO以外のメタバースでも着用できるようになることを期待して待ちましょう!

Maison AI

引用:Open Fashion

Maison AI(メゾン エーアイ)」は、ファッション業界に特化したテキスト・画像生成AIツールです。

「Maison AI」では、テキスト生成AIの活用が簡単に出来るように、ファッション業界に特化した様々なプロンプト(指示出しのキーワード)をサポートしています。

また、ファッションに特化した画像生成AIのサポートをしてくれるため、生成AIの知識がないファッション関係者に使いやすいツールとして提供されています。

現在は、株式会社ワールドのグループに参画しているので、ますますサービスの規模を拡大していきそうですね。

AI Fashion Challengeの入賞作品を見ていこう

では、ここからは「AI Fashion Challenge」の入賞作品を見ていきましょう。

「AI Fashion Challenge」の作品は、作品のプロンプトが全て公開されているため、画像生成AIを学ぶ人にとって、とても参考になります。

生成AI作品を公開しているプロジェクトや個人はたくさんいますが、プロンプトを公開しているプロジェクトの数は決して多くありません。

では、厳選して紹介していきます。

【テーマ】ZEPETO内で着用できるシューズアイテムのデザイン

第2回のテーマは「シューズ」。

作者:Jay Sng

プロンプト:futuristic shoes, in the style of stealth aircraft, blend of sneaker and wedges, quantum levitation(未来的な靴、ステルス飛行機風、スニーカーとウェッジの融合、量子浮遊 ※DeepLにて翻訳)

作者:Toru Ueda

プロンプト:Futuristic avant-garde sneakers made of glass worn by princesses(プリンセスが履くガラス製の近未来的なアヴァンギャルド・スニーカー ※DeepLにて翻訳)

【テーマ】世界にひとつのオリジナルファッションブランド

第4回のテーマは、創造力×AIで生まれる、世界にひとつのオリジナルファッションブランドでした。

ブランド名:with M

作者名:AI BOTANIST

プロンプト:full body photograph, a fashion model with short bob hair on the runway, wearing kimono with moss all over, wearing a sash made of dark green moss around the waistdim –style raw(全身写真、ランウェイを歩くショートボブのファッションモデル、全体に苔のついた着物を着ている ※DeepLにて翻訳)

プロンプト:full body photograph, on the runway, a female model, wearing kimono with a tie-dye pattern made of moss, wearing girth like moss, wearing beret made of moss –style raw(全身写真、ランウェイにて、苔でできた絞り模様の着物を着て、苔のような胴回りを身につけ、苔でできたベレー帽をかぶった女性モデル ※DeepLにて翻訳)

【テーマ】A/Wのストリートファッションブランド

第5回のテーマは、「A/Wのストリートファッションブランド」です。

作者名:KUROTORA

コレクション名:AR Couture (拡張現実服)

プロンプト:the futurist’s jacket or an orange coat, in the style of virtual and augmented reality, industrial and product design, transparent/translucent medium, full body shot, Hi fashion photo, at Shibuya city, Winter(未来派のジャケットまたはオレンジのコート、バーチャルリアリティと拡張現実のスタイル、工業デザインと製品デザイン、透明/半透明の媒体、全身撮影、Hiファッション写真、渋谷の街にて、冬 ※DeepLにて翻訳)

プロンプト:the futurist’s jacket or an deep blue bomber jacket, in the style of virtual and augmented reality, industrial and product design, transparent/translucent medium, full body shot, Hi fashion photo, at Shibuya city, Winter(未来主義者のジャケット、またはディープブルーのボンバージャケット、仮想現実と拡張現実のスタイル、工業デザインと製品デザイン、透明/半透明の媒体、全身写真、Hiファッション写真、冬、渋谷にて。 ※DeepLにて翻訳)

どの作品も、具体的かつファッションとは異なる文脈のキーワードを入れることで、オリジナリティあふれる作品になってますね!

OpenFashion Circleには、この他にもたくさんの作品が掲載されていますので、ぜひチェックしてみてください。

公開されているプロンプトで実際に画像を生成してみよう

ではここからは、受賞作品のプロンプトを使って、MidjourneyとBing Image Creatorで画像を生成してみましょう。

画像生成AIを使ったことがない人にとっては、ハードルが高い作業に思われますが、実は使い方は非常にシンプルです。

今回は、KUROTORAさんの下記プロンプトをお借りして生成してみたいと思います。

プロンプト:the futurist’s jacket or an deep blue bomber jacket, in the style of virtual and augmented reality, industrial and product design, transparent/translucent medium, full body shot, Hi fashion photo, at Shibuya city, Winter(未来主義者のジャケット、またはディープブルーのボンバージャケット、仮想現実と拡張現実のスタイル、工業デザインと製品デザイン、透明/半透明の媒体、全身写真、Hiファッション写真、冬、渋谷にて。 ※DeepLにて翻訳)

Midjourney

まず、Midjourneyで生成してみます。

僕は、DiscordのDM欄でMidjourney Botとやりとりする方法で生成しています。

まず下部のチャット枠(赤枠)に「/imagine」というコマンドを入力し、「prompt」と書かれた部分に、上記の参考にするプロンプトを貼ります。

プロンプト入力により、20~30秒ほどで4枚の画像が生成されました。

今回は、右下の4枚目の画像にしてみます。

「U4」ボタンをクリックすると、高画質な4枚目の画像のみが生成されます。

画像が完成しました。

ボンバージャケット感は少ないですが、一回で未来的で青白い光を放ったジャケットをまとった美女の画像が生成されましたね。

いつもは、自分のイメージにより近づけるため、プロンプトの調整や、再生成をもっと行いますが、一回の生成でもじゅうぶんなクオリティだと感じます。

さすがMidjourney。

Bing Image Creator

次に、Bing Image Creatorで生成してみましょう。

Bing Image Creatorは、2023年10月よりDALL-E 3(ダリ スリー)を搭載しているため、格段にクオリティが上がりました。

初めて画像生成AIを使う人は、ひとまずこちらから試してみてください。

Bing Image Creatorの上部の検索枠(赤枠部分)にプロンプトを入力して「作成」ボタンをクリック。

4枚の画像が生成されました。

今回は、左下の画像を選択します。画像をクリックしましょう。

未来的で半透明、青い光を放つボンバージャケットを着用した男性が、渋谷駅前のスクランブル交差点前に立っている画像が生成されました。

一回の生成で、いきなり高いクオリティの画像が生成されましたね!さすがDALL-E 3…

同じプロンプトでも、作成したタイミングや、ツールが異なることで異なる画像が生成されることが、この3枚の画像でおわかり頂けたと思います。

今回のプロンプトは、性別の指定がないため、男性/女性の生成揺れはありましたが、どれも圧巻のクオリティです。

「AI Fashion Challenge」のようにプロンプトを公開しているサイトやプロジェクトはいくつかあります。

ぜひ初めのうちは、それらを参考に生成し、慣れてきたら自分の色を出していってみてくださいね。

おわりに

今回は、AIと人間がつくるデザインコンテスト「AI Fashion Challenge」について解説してまいりました。

実際に公開されているプロンプトを使うことで、とても簡単にハイクオリティな画像が生成できることがおわかり頂けたのではないでしょうか。

画像生成AIは、使いこなすことで仕事やプライベート問わず、発信の質がすさまじく上がります。

無料のBing Image Creatorや、ChatGPTの有料プランでもDALL-E 3が簡単に使えるようになり、導入ハードルは下がってきています。

ぜひ、まだ画像生成AIを触ったことがない人は、これからでも遅くないので試してみてくださいね。

近々DALL-E 3についての解説記事も書く予定なので、そちらもお楽しみに。

では、また。