【画像生成AI】ファッションギークがおさえておくべきAIアーティスト5選

2023年に入り、進化の一途をたどる生成AI。

特に画像生成AIによる生成画像や、ChatGPTのようなテキスト生成AIのクオリティについては、その凄さを認識している人も多いのではないでしょうか。

今回は、そんな画像生成AIを使って、既存のファッションブランドの架空のアイテムを生成しているアーティストを紹介していきます。

今回ご紹介する生成AIアーティストは、キーワード(プロンプト)の指定能力に長け、生成AIを使いこなし、出力された画像を編集することで、想像を超える作品を生み出し続けているのが特徴です。

画像生成AIは、膨大な学習データをもとに、指定されたキーワードに従って瞬時に画像を生み出します。

それにより生成された画像は、1人の人間の固定概念を優に超える作品を生み出すことも少なくありません。

そんな生成AIを使って、生成AIの出始めた初期から触り続けていることで超絶スキルを手に入れているアーティストが世界には存在します。

そんな今回は、「ファッションギークがおさえておくべきAIアーティスト5選」をご紹介します。

画像生成AIとは

画像生成AIは、入力されたテキスト(プロンプト)やデータをもとに、画像を生成することができる人口知能です。

大量な既存の画像データから特徴を学習し、それらの学習をもとに新しい画像を生成します。

そもそも生成AI(ジェネレーティブAI)とは、大量のデータを学習した学習モデルが、画像、動画、文章、音声、プログラムコードなど、さまざまなコンテンツを生成することができる人工知能のこと。

従来のAIは、「学習させたデータの中から適切な回答を探して提示する」性質であるのに対し、生成AIは「データのパターンや関係を学習し、新しいコンテンツを生成する」性質があります。

たとえば、Midjourney(ミッドジャーニー)という画像生成AIサービスを使って、「秋の夜長に、京都の川沿いで月見をしている、30歳の着物を着た男性(A 30-year-old man in kimono watching the moon along the river in Kyoto on a long autumn night.)」というテキストを英語入力すると、AIがそれに基づいて上記画像を瞬時に生成します。

テキストを入力してからほんの10秒ほどでここまでのクオリティの画像を生成してくれるんです。すごすぎですよね。

画像生成AIツールの種類

代表的な画像生成AIツールは以下の4つです。

  • Midjourney(ミッドジャーニー)
  • Stable Diffusion(ステーブル・ディフュージョン)
  • DALL·E 2(ダリ・ツー)
  • Bing Image Creator(ビングイメージクリエイター)

僕自身、この4つのサービスを使いましたが、有料なら「Midjourney」。

無料で手軽に始めるなら「Bing Image Creator」をおすすめします。

「Midjourney」「Bing Image Creator」の使い方に関しては、下記の記事で解説しています。ぜひ下記リンクからお楽しみくださいね。

ファッション × 生成AIの現在地

ファッションと生成AIは、非常に可能性のある組み合わせです。

2023年に入り、生成AIの急速な発展とともに、世界中のラグジュアリーブランドが生成AIを使用してさまざまな試験的な取り組みを行っています。

〈Gucci〉、〈Saint Laurent〉、〈Bottega Veneta〉等を傘下に持つケリングの“KNXT”や“Vault Art Space”を始め、多くのラグジュアリーブランドが画像生成をインスピレーションにクリエイティブ活動を促進しています。

また、カナダを拠点にしたハイエンドなブランドをセレクトするECサイト、SSENSE(エッセンス)は、ChatGPTのプラグインを活用・導入し、パーソナルスタイリストサービスを開始しています。

2023年9月に渋谷PARCOで開催されていた「NFFT2023 Generative AI x Fashion展」では、画像生成AIで生成された画像をもとに、職人が手編みで製作したニットの展示も。

このように生成AIと人間の個性や特徴を融合した取り組みが盛んにおこなわれており、今後ますますファッション×生成AIの取り組みは加速していくでしょう。

おさえておくべき画像生成AIアーティスト5選

では、ここからはファッションギークがおさえておくべき5人のAIアーティストをご紹介します。

僕自身、画像生成AIを日常的に触っており、Instagramでインスピレーションとなるアカウントを掘り下げ続けていることによって見つけた5人です。

Str4ngething

1人目は、AIアーティストのStr4ngething(ストレンジシング)です。
(Instagramフォロワー数 約183,000人 ※2023年9月22日時点)

Str4ngethingは、イタリア版Vogueにも掲載された実績のあるアーティストであり、ルネサンスまたはバロック絵画からインスピレーションを得た作品が特徴。

ルネサンスに影響を受けたような建築物がデザインされたブーツや、スニーカーが特徴です。

生成AIならではの自由な発想でデザインされたアイテムは、まるで芸術作品。

また、それ以外の作品では、〈Nike〉作品をサンプリングしたアイテムも。

チュール使いやシルエットが〈sacai〉コラボのニュアンスを感じます。

〈Louis Vuitton〉のバラクラバやパッチワークのボンバージャケットなど、現実にはないけど実現してくれたら嬉しいなと感じる、いい塩梅のデザインが多く投稿されています。

Joann

2人目は、AIアーティストのJoann(ジョアン)です。
(Instagramフォロワー数 約186,000人 ※2023年9月22日時点)

Joannについては、日本語メディアの記事は現状一切なく、海外メディアの情報でも出自は明らかになっていませんでした。

ドリーミーな素材や色使いが特徴で、建築物からファッションアイテムまで幅広く生成しているのが特徴です。

〈adidas〉製品をサンプリングして生成された画像や、

〈Nike〉サンプリングのアイテムは、どれも女性らしさ、透け感がある前衛的なアイテムばかり。

K-POPアイドルのステージ衣装などで近い将来使われそうなデザインですね。

Marco Simonetti


3人目は、Marco Simonetti(マルコ・シモネッティ)です。
(Instagramフォロワー数 約61,000人 ※2023年9月22日時点)

Marco Simonettiは、デザイン集団「RAL7000STUDIO」所属のイタリア人デザイナー。

彼の名が世界に知れ渡ったのは、〈Nike〉x〈Jacquemus(ジャックムス)〉のコラボレーションに着眼したプロジェクトをInstagram上で発表したタイミングです。

このプロジェクトは、「〈Nike〉x〈Jacquemus〉が架空で開催したポップアップストアとコラボアイテム」というテーマをAIで生成しています。

フランスにあるアルプス山中のスキーリゾート “クールシュベル”での開催を想定したこのポップアップストアでは、スキーヤーに向けてのブーツやコート、バッグなどがラインナップ。

Marco Simonettiによる構想と、AIによる想像をこえた生成のマッチングにより、突飛すぎず、前衛的なデザインとなっていますね。

その他にも、美しい鉱石でつくられた〈Nike〉のスニーカーや、怪しく発光した〈New Balance〉のモデルなど、AIならではのクリエイティブが特徴な作品群となっています。

Benjamin Benichou

4人目は、Benjamin Benichou(ベンジャミン・ベニチョウ)です。
(Instagramフォロワー数 約48,000人 ※2023年9月22日時点)

Benjamin Benichouは、アメリカのIT企業のCEOであり、AIアーティストでもあります。

〈Louis Vuitton〉や〈Nike〉×〈NOCTA〉、Pharrell Williams(ファレル・ウィリアムス)やJerry Lorenzo(ジェリー・ロレンツォ)などをインスピレーションに画像生成しているのが特徴。

デジタルとアナログが介在した魅力的な〈Nike〉スニーカーや、砂漠に鎮座する美しい外観の店舗。

仮想空間にあるセブンイレブンや、映えるライティングが特徴の〈RIMOWA〉のショーケースなど、アイテムや建造物を幅広く生成しています。

Nerdy Alan

最後は、Nerdy Alan(ナーディ・アラン)です。
(Instagramフォロワー数 約6,500人 ※2023年9月22日時点)

Nerdy Alanは、家具やインテリアと〈Nike〉のアイテムをサンプリングして生成した画像が話題となったAIアーティスト。

Air Foampositeを想起させるバスタブの完成度がすごすぎますね。

ボッテガグリーンが映えるイントレチャートのAir Max 1や、手編みのヤンキースキャップ。

レース仕様の〈Timberland〉のブーツに、エイリアンモチーフのハイヒールなど、リアルに存在するもの同士を組み合わせたAIデザインが秀逸です。

この他にもいろいろなデザインを生成しているので、ぜひInstagramでチェックしてみてくださいね。

おわりに

今回は、ファッションギークがおさえておくべきAIアーティスト5選について解説してきました。

どのアーティストの作品がお好みだったでしょうか。

画像生成AIの進化は、加速度的なスピードで進化しており、1か月という単位で驚異的なアップデートを繰り返しています。

ChatGPTを手掛けているOpenAIは、新しい画像生成AI「DALL·E 3(ダリ・スリー)」を2023年10月にリリースすることを公開しており、さらに、精度の高い画像を手軽に生成できるようになっていくでしょう。

生成AIを使うことは難しいイメージがありますが、実際に使用してみると実はすごく簡単です。

仕事に活用するもよし、プライベートで生成AIを楽しむもよし、ぜひチャレンジしてみてくださいね。

channel IVYでは今後も生成AIについての記事を書いていきますので、ぜひお楽しみに。

では、また。