新しい音楽を聴かなくなる大人たち

夜の気温がいくぶん下がってきたなと思ったら、いつの間にか10月に入っていました。

あわただしく9月が過ぎ去っていきましたが、恒例の1か月の振り返りコラムを書いていきます。

9月があわただしくなった原因ははっきりしていて、仕事量が増えた。読書量を増やした。家族との時間は減らしていない。キックボクシングの時間も減らしていない。channel IVYの執筆量も減らしていない。と増やしたことはあれど、減らしたことがほぼなかったためです。

たまにこういった月がある分には全然いいのですが、これがデフォルトになるのは良くないなと。

少しの余白がないと、新しい出会いや新しい価値観にふれる機会がぐっと減ってしまうものです。

10月は、娘のダンスの舞台、娘息子の運動会などのイベントごとも出てくるので、今の内からやらないことを決めておくことにします。まぁ、ゲームを減らすしかないな。

そんな今回は、「新しい音楽を聴かなくなる大人たち」というテーマでコラムを書いていきます。

毎月のことながら気軽に文章を書いていくので、コーヒーでも飲みながら(アルコールならなお良し)気軽に読み進めてくださいね。

33歳を境に人は新しい音楽を聴かなくなる

いきなりですが、最後に新しい音楽を調べたり聴いたりしたのはいつのですか?

新しい音楽っていわれてもかなり抽象的だと思うので、ここでは「今まで聴いてこなかったアーティストの音楽」を新しい音楽として話を進めます。

このchannel IVYを読んでくれる人はファッションが好きだったり、新しいテックが好きだったりする人が多いと思うのですが、それでも「最近、新しい音楽を掘ってなかったなぁ」という人が多いのではないでしょうか。

かくいう僕も、子供たちが生まれてくる前(約7年前)と比べて新しい音楽に触れる機会がかなり減りました。

ここで本題ですが、「33歳を境に人は新しい音楽を聴かなくなる」という説はご存じでしょうか。

これは、以前からよく耳にする話ではあったのですが、これを機会にこの話題について言及している考察記事をいくつか読んでみました。

考察記事

これらの記事を要約すると主に以下6つの点が挙げられます。

  • 10~20代の音楽体験は非常に強力なものである
  • 新しい音楽に対する興味の喪失は、音楽の変化や進化を追いかけるのが難しくなるため
  • 新しい音楽に対する興味の喪失は、新しいものを探求するエネルギーが減少するため
  • 脳の能力が年齢とともに衰えるため、馴染みのない曲は「同じように聞こえる」
  • 単純に音楽に触れる時間が圧倒的に少なくなる
  • 音楽側の問題ではなく、リスナー側の問題である

うーん。どれも「たしかにな…」と、首を縦に振ってしまうことばかり。

僕の実感としては、以下3つが自分自身に当てはまる原因かなと思っています。

  • 10~20代に音楽を掘りまくっていた時期の音楽観が軸になっている
  • 新しい音楽に触れるための時間と気持ちの余白が少なくなっている
  • 加齢により、馴染みのない曲は「同じように聞こえる」

10~20代は、どっぷりとブラックミュージックを中心に音楽沼にはまり、ストリートダンスをして、たまにDJをやり、ブラックミュージックメディアでライターとしてアルバイトをしていました。

そのため、1日中音楽を聴きまくっていた生活を送っていたので、音楽というものに精神的にも物理的にも触れる時間が多かったなと。

その時と比べると、子供が生まれた33歳を境に、気分を上げるためのレッドブルのような、または、セラピーとして癒しを求めるような音楽の聴き方がデフォルトになり、新しい音楽を掘る時間はほぼなくなりました。

せっかく音楽を聴くなら「ハズレ」をひきたくない感覚に近いです。

これは、よくない症状だなと思っています。

もっと自分の好奇心を、音楽や新しい価値観に向かわせたいなと。そんな40代を過ごしていきたいんです。

しかし、こうやって振り返ってみると、情報元の説の通り、しっかり33歳を機に新しい音楽を聴く機会がぐっと減っていますね。

僕は、なんて平均的で一般的な大人なんだ(笑)

新しい音楽を知りたいし、聴きたいんだ

ここまで「33歳を境に人は新しい音楽を聴かなくなる」ことについてつらつら書いてきましたが、僕自身、新しい音楽やモノゴトを面白がれる人生を送りたいと思っています。

なので、この機会に「新しい音楽を聴き続ける」ために何が必要かを挙げていこうと思います。

それは、ずばりこの3つ。

  • 新しい音楽に触れたいと思える時間と気持ちの余白を持つ
  • 馴染みのない音楽でもとりあえず面白がってみる
  • 同年代とばかりつるまない

まず、大前提として「新しい音楽を聴かなければならない。」なんてことは一切思っていません。

昔から変わらない、自分にとっての好きな音楽を聴き続ける良さもあります。

そういった偏りや嗜好が、その人の個性にもなり得るとも思っています。

ただ、僕は新しいものに出会ったり、面白がったりし続けたい。ただそれだけです。

新しい音楽に触れたいと思える時間と気持ちの余白を持つ

「新しい音楽を聴き続ける」ためには、まずは「時間」と「気持ち」の余白が大事。

空きスペースがないことには、新しいものが入る余地がありません。

これは音楽に限った話ではもちろんなくて、新しいことを始める上でも大事なポイントです。

詳しい説明は省きますが、Google社の20%ルール(社員が社内で過ごす時間の20%を、自分の担当外の業務の分野に使わなくてはならないというルール)にもある通り、意識的に余白をつくらなければ、決して新しいクリエイティブなものはうまれません。

まずは、ここを死守です。

馴染みのない音楽でもとりあえず面白がってみる

馴染みのない音楽でもとりあえず面白がってみることも、「新しい音楽を聴き続ける」ためには、重要な鍵となります。

脳機能の低下によって、馴染みのない音楽が全て「同じように聞こえる」というのは、そもそもそこに好奇心をもてていないことが、問題の本質ではないかと。

そうだとすると、馴染みのない新しい音楽をとりあえず面白がってみる。というのが好奇心を働かせる上で効果的なのではないでしょうか。

よく聞くアレにはなりますが、「楽しいから笑うのでなく、笑うから楽しいのだ。」的な順番で考えると、『興味をもったから面白くなるのでなく、面白がってみるから興味をもつのだ。』というように、行動があって現象が起こるという順番で考えることで、好奇心は湧いてくるのだと思います。

同年代とばかりつるまない

「同年代とばかりつるまない」も新しい価値観を受け入れやすくするためには大事ですね。

世代が違うと、もちろん当たり前も異なります。

今の小中学生にとっては、ゲームを通じたバーチャル世界での交流は一般的ですが、アラフォーにとっては異世界です。

生きてきた時代が違うと、当然搭載しているOS(Windows 98,Windows XP,Windows 11,macOS,iOSなど)は異なりますよね。

違うヴァージョンのOSを知り、アップデートしていくことで、新しい価値観をスムーズに受け入れられるようになります。

世代をこえて色々な人と交わっていくことで、新しい価値観に触れ続ける時間を設けていきましょう。

おわりに

今回は、9月の振り返りもかねて、「新しい音楽を聴かなくなる大人たち」というコラムを書きました。

振り返りコラムは、他の記事とは異なり、特に準備をせずその時に思っていることをつらつら書いていくスタイルです。

今回は特に自戒の意味をこめて、「新しい音楽を聴き続ける」感性と体力を持つために必要なことをまとめてみました。

加齢とともに味わい深い個性を持てる魅力もありますが、一歩間違えるとただの「頑固」なおじさんになってしまう例をこれまでにたくさん見てきました。

良し悪しの話ではないですが、いくつになっても人生を愉快にしていくために、新しい音楽を聴き続ける人間でありたいものです。

では、10月もよろしくお願いします!