「メタバースのプラットフォームが色々あり過ぎて、どれを選べばいいのかわからない…」
友人と話していると、そういった話を耳にします。
僕自身、2022年から複数のメタバースで遊んでいますが、最初は本や他の方の記事を読み、それを参考に遊ぶためのメタバースを選びました。
一口にメタバースといっても、ゲーム系、クリプト系、ソーシャル系など、さまざまな種類のプラットフォームが存在します。その中から自分に合ったプラットフォームを探すのは一苦労ですよね。
今回は、色々あるメタバースの中で、特に服好き(洋服に興味のある人)に向けて、ファッションと親和性の高いメタバースプラットフォーム3選をお伝えします。
この記事はこんな疑問をもつ人にオススメ
- ファッションと関連性の高いメタバースはどれかな
- そのプラットフォームで具体的に何が出来るのだろう
- メタバースで遊ぶためには暗号資産(仮想通貨)は必要なのかな
メタバースで遊び始めるのは決して高いハードルではありません。
この記事を読んで、今日からでも自分のお気に入りのアバターでメタバース空間を散策しましょう!
メタバースとは?
メタバースとは「インターネット上につくられた3次元の仮想空間」のことを指します。
メタバースではユーザー自身が作成したアバターを操作することによって、空間内を自由に行動したり、空間自体を作成することが可能です。またメタバース空間では、世界各国の人とコミュニケーションを取ったり、1人でのんびりしたり、ビジネスを行ったりもできます。
この「メタバース」という言葉自体は、1992年にアメリカの作家ニール・スティヴンスンが「スノウ・クラッシュ」という小説の中で初めて使用した言葉です。(30年以上前から存在する言葉です)
2021年10月にFacebookが社名をMeta(メタ)に変更したことで、「メタバース」という言葉はバズワード化し、一気に普及しました。
メタバースについて詳しく知りたい人は、「メタバースとは?ファッションギークにわかりやすく解説【初心者向け】」をご覧くださいね。
メタバースの種類
メタバースには、異なる特性を持つ様々なプラットフォームがあります。
プラットフォームは大きく分けて2種類。
- 暗号資産(仮想通貨)とそれを保管するためのウォレット(デジタル財布)が不要なメタバース
- 暗号資産やウォレットが必要なメタバース
「暗号資産」と「ウォレット」が不要なメタバース
1つ目は、「暗号資産」と「ウォレット」を必要としないメタバースです。「ゲーム系」「ソーシャル(SNS)系」と呼ばれています。
こちらの特徴は、目的が「所有」ではなく、ゲーム作成やプレイ、またイベント、ライブを通じたコミュニケーションが中心となります。
ゲームやイベントを通じて、音声チャットやテキストチャット、エモート(表情・エモーション・アバターの動きが連動したアクション)を使用し、リアルタイムでコミュニケーションが可能です。
NFTの取り引きが基本的に発生しない為、アカウント作成にウォレット作成の必要がなく、気軽に始めることができます。
ゲーム系メタバースの「Roblox(ロブロックス)」「Fortnite(フォートナイト)」、ソーシャル(SNS)系メタバースの「cluster(クラスター)」「VRChat」がこれにあたります。
「暗号資産」と「ウォレット」が必要なメタバース
2つ目は、ブロックチェーン技術で構築されているメタバースです。「クリプト系」「Web3.0系」と呼ばれています。
特徴としては、プラットフォーム内の土地やアバター、アイテムをユーザーが所有できることです。
この土地やアバター、アイテムはNFT(非代替性トークン)として取り引きされます。
NFTを購入し、所有するには暗号資産が必要ですが、遊ぶだけなら仮想通貨は不要です。
その為、アカウント作成には、暗号資産を保管するためのウォレット(デジタル財布)が必要となります。
クリプト系メタバースの「The Sandbox(ザ・サンドボックス)」「Decentraland(ディセントラランド)」がこれにあたります。
この2種類のメタバースは、どちらも暗号資産を持っていない状態で遊ぶことができますので、決してハードルは高くありません。
ぜひ興味のあるものからアカウント作成してみて下さいね。
ファッションギークにおすすめするメタバースプラットフォーム3選
メタバースのプラットフォーム自体は世界中の企業が制作しているため、数多く存在します。
そのため、どのメタバースを体験しようかを選ぶだけでも、とても時間が掛かりますよね。
そこで、ファッション好きの僕の独断と偏見で、厳選して3つの「ファッションギークにおすすめするメタバースプラットフォーム」をご紹介します。
もちろん、おすすめ理由も説明しますので、ご安心くださいね。
ではいきましょう!
cluster(クラスター)
ソーシャル(SNS)系メタバースのおすすめプラットフォームは、cluster (クラスター)です。クラスター株式会社という日本の会社が開発しています。
ユーザー同士の交流をメインとしたソーシャル(SNS)系メタバースで、ゲームやイベント・ライブが充実しているのが特徴の1つです。
元々は、アーティストの音楽ライブなどができるバーチャルイベントのプラットフォームとしてスタートしました。
3DCGで再現された「バーチャル渋谷」「バーチャル原宿」といったリアルな街並みを再現したものや、ジュラシックツアーと題されたアトラクションを回遊できたりと、多種多様なワールドがあるのが魅力の1つです。
マイニングアドベンチャー
「マイニングアドベンチャー」は、cluster初心者の方におすすめのゲームワールドです。
ワールドに散らばる鉱石を集めてレベルアップしていくこのゲーム。レベルごとに探索できるエリアが拡大していくRPG的な要素を持つとても中毒性のあるゲームで、時間を忘れてハマってしまいます。
clusterは、VR端末・PC・スマホの端末のマルチデバイスからアクセス可能なので、VRゴーグルがなくても十分に楽しめます。僕はいつもPCからのログインです。
アカウント作成の流れ
アカウント作成は3ステップです。
- clusterのアプリをダウンロードする。
- アプリをインストールしたら、名前・アイコンを設定しアカウントの登録を行う。
- 作成したアカウントIDとパスワードでログインし、「ホーム」へ入る。
以上の3ステップでアカウント作成は完了します。
※clusterのアカウント登録・始め方については、【2023年版】cluster(クラスター)の始め方をわかりやすく解説【初心者向け】に書きました。
ファッションギークへのおすすめポイント
ファッションギークへのclusterのおすすめポイントは2点です。
- オリジナルのアバター用アイテムを簡単に作成できる
- ハイクオリティーのマイワールドを直観的に作成できる
オリジナルのアバター用アイテムを簡単に作成できる
clusterのアバターアバターは、Robloxやマインクラフトと比較してハイポリ(※ハイポリゴンの略。ポリゴン数が多いことで精細で滑らかな描画が可能)の為、アバターに着用させるアイテムや各部位の設定によって見え方が大きく異なってきます。
作成方法も非常に簡単で、cluster内にデフォルトで搭載されている「アバターメイカー」で作成できます。また、少し凝ったアイテムを作成したい場合は、Vroid Studio(3Dキャラクター制作ソフトウェア)や、REALITY(ライブ配信アプリ)のような外部アプリで作成したものを簡単に連携することも可能です。
ファッション好きは細かいディティールや、何を着せるかのこだわりを強く持つ人が多いので、ここは譲れない部分ではないでしょうか。
ハイクオリティーのマイワールドを直観的に作成できる
clusterでは自分だけの空間(ワールド)を作成できます。
作成したマイワールドでは、他のユーザーと交流したりイベントを開催することができます。
この映像は、僕が計3時間くらいで作成したワールドです。特にチュートリアルを見たりせずに、直観的に触っていきながら作成しました。作成に慣れてきたら、焚き火台を置いて、それを囲みながら談笑したいと妄想しています(笑)。
このスクリーンで好きなブランドやデザイナーのショー映像を流したり、ライブを見ながらくつろぐ時間の使い方なんていかがでしょうか。
また、clusterは、過去にアバターに着用させられるTシャツとして〈WIND AND SEA〉とコラボし無料配布したり、2022年に「バーチャル渋谷」内で行われたハロウィーンフェスに〈PAL CLOSET〉がファッション展示会を開催したりしていました。
アパレル企業とのコラボは現在のところ多くはないですが、これだけ使いやすいUI設計と、アバターやアイテムと現実世界との同期ができるようになることで、「cluster」×「ファッション」は盛り上がってくると考えています。
手軽にメタバースを体験してみたいファッションギークは、ぜひCluster(クラスター)で遊んでみてくださいね。
Roblox(ロブロックス)
ゲーム系メタバースのおすすめプラットフォームは、Roblox(ロブロックス)です。
世界で大流行中のゲーミングプラットフォームで、1日のアクティブユーザー数は、世界で5,220万人以上(2022年4〜6月期)がプレイしています。
ユーザーは、Roblox内の多種多様なゲームをオンライン上でプレイできます。また、オリジナルゲームを開発し、世界中のユーザーにプレイしてもらうことも可能です。
Robloxもマルチデバイスからアクセス可能なので、VR端末がなくても十分に楽しむことができます。
メタバース初心者におすすめのゲームは、ソニックスピードシミュレーターです。
ソニックスピードシミュレーターは、2022年8月時点で累計プレイ回数が全世界5億回と驚異的な人気を誇るゲーム。
舞台は、ユーザー自らが開放していく6つの異なる没入型3D世界となっています。通常のゲームプレイや複数のイベント、ミニゲームの他に、ユーザーはプレイを進める中で人気キャラクターのプレイヤースキンなどをアンロックすることが可能です。
僕も仕事と子育ての合間にのめり込んでしまい、気づけば3時間が経過していたなんてことも…
アカウント作成の流れ
アカウント作成は3ステップです。
- Robloxのアプリをダウンロードする。
- アプリをインストールしたら、「生年月日」「ユーザーネーム」「パスワード」「性別」を順番に入力する。
- 作成したアカウントIDとパスワードでログインする。
以上の3ステップでアカウント作成は完了します。
※Robloxのアカウント登録・始め方については、【2023年版】Roblox(ロブロックス)の始め方をわかりやすく解説【初心者向け】に書きました。
ファッションギークへのおすすめポイント
ファッションギークへのRobloxのおすすめポイントは2点です。
- 〈Nike〉や〈Gucci〉が作り出すメタバース空間でゲームを楽しむことができる
- そのゲームでのみ手に入るデジタルアイテムや、デジタルアイテムと交換できる仮想通貨が手に入る
Roblox内にある「NIKELAND」。こちらは、アメリカ・オレゴンにある〈Nike〉の本社 Nike World Headquartersを元に設計されています。
敷地内にはバスケットボールコートやテニスコート、フットボールフィールド、陸上競技用のトラックなどが3Dで再現されており、ランド内で他のユーザーと鬼ごっこやスノーボールファイトなどのゲームを楽しむことができます。
さらに、NIKELAND内にあるデジタルショールームでは、〈Nike〉のフットウェアやアパレルなどのアイテムが購入でき、アバターはこれらのギアを身につけることで、身体能力をアップさせることも可能です。
こちらは〈Gucci〉がRoblox内にオープンしている「Gucci Town」。この「Gucci Town」ではゲームに参加して、仮想通貨「GG Gem」を得ることができます。また、 世界にひとつしかないアート作品を見つけたり、制作したりも可能です。
「Gucci Town」は、ラピッツァ(広場)をイメージして作られており、建造物のデザインや色彩が〈Gucci〉らしく鮮やかできれいに表現されています。ゲームに参加しなくても、回遊するだけでも目の保養になりますよ。
ゲーム好きな人や、ゲームを通してメタバースを体験してみたいファッションギークは、ぜひRobloxで遊んでみてください。
Robloxのバーチャルワールドに関しては、Roblox(ロブロックス)に参入しているファッションブランド7選【バーチャルワールドを体験】で詳しく解説しています。ぜひ読んでみてくださいね。
Decentraland(ディセントラランド)
クリプト系メタバースのおすすめプラットフォームは、Decentraland(ディセントラランド)です。
Decentralandはファッション業界と非常に親和性の高いプラットフォームとなっており、メタバース最大のファッションイベント「メタバースファッションウィーク」はこのプラットフォームで行われています。
アバターに着用させるウェアラブル(アイテム)やエモート、LAND(土地)がNFTとして売買でき、実際、アイテムを購入して音楽イベントやファッションイベントに遊びに行くのは、とてもワクワクする体験です。
また、clusterやRobloxが無制限にワールドや土地を作成できるのに対して、Decentralandは、その土地数が決まっているのが最大の特徴となります。その為、限られた土地の高額売買がしばしば話題に上がります。
LANDと呼ばれる土地を回遊している人とコミュニケーションを取ったり、マイニング(採掘)会場で遊んだりもできます。このマイニング会場では、アックス(武器)を使ってアイテムの素材に変換することができ、その素材を活用して、強いアックスやジャケット、靴、マスクなどのNFTを製作することが可能です。
LANDを散歩していると、様々なNFTアートを展示しているギャラリーを目にします。世界中の人の感性に触れられるのもDecentralandの魅力の1つです。
1人で散策もよし、友人とログインしてギャラリーをまわるもよし、色々な楽しみ方を提供してくれています。
アカウント作成の流れ
イーサリアムブロックチェーンをベースにしたプラットフォームなので、アカウント作成にはウォレット(MetaMask)が必要です。
僕は、仮想通貨取引所はCoincheck、ウォレットはMetaMaskで作成しました。
暗号資産は持っていなくてもDecentralandのアカウントは作成できるので、口座開設のみで問題ありません。
※Decentralandのアカウント登録・始め方については、Decentraland(ディセントラランド)の始め方をわかりやすく解説【初心者向け】に書きました。
アカウント作成は4ステップです。
- 暗号資産(仮想通貨)取引所で口座開設をする
- MetaMask(ウォレット)をインストール・作成する
- 公式サイトにアクセス・MetaMaskを接続する
- アカウントとアバターを作る
以上の4ステップでアカウント作成は完了します。
暗号資産(仮想通貨)取引所の口座開設に関しては、Coincheck(コインチェック)の口座開設方法をわかりやすく解説【初心者向け】で画像付きで解説しています。ぜひ参考にしてみてくださいね。
\ こちらから無料登録できます /
ファッションギークへのおすすめポイント
ファッションギークへのDecentralandのおすすめポイントは2点です。
- 〈AMBUSH〉や〈ANREALAGE〉といった国内ブランドが参入している
- メタバース最大級のファッションイベントが行われている
AMBUSHやANREALAGEといった国内ブランドが参入している
国内ブランドの中でも常にフレッシュな話題を提供してくれる〈AMBUSH〉や〈ANREALAGE〉がDecentraland内で展示やショーを開催しています。
〈AMBUSH〉は、Decentraland内でNFTと連動させた「クロッグサンダル」をお披露目したり、「AMBUSH® SILVER FCTRY」というメタバース空間を独自開発したりと、常に時代の先端を行くブランド。メタバースやNFTとファッションの融合へのチャレンジはファンとしてワクワクしますよね。
〈ANREALAGE〉は、Decentralandににあるメタバース都市「Oasis KYOTO」において、2022年秋冬コレクション「PLANET」と、ブランド設立20周年となる節目のコレクションであった2023年春夏コレクション「A&Z」のパッチワークルックを展示していました。
(「Oasis KYOTO」は仮想通貨取引所のCoincheckが『Decentraland』のLANDに所有するメタバース都市です)
この2ブランドがコンテンツを投下しているプラットフォームというだけで、Decentralandをおすすめする理由になりますね。
メタバース最大級のファッションイベントが行われている
メタバースファッションウィークは、メタバース上での最大級のファッションイベントです。このイベントは2022年3月に第1回がDecentralandで開催されました。
〈ETRO〉や〈DOLCE&GABBANA〉など、60ブランド以上が参加し、ファッションショーやパネルディスカッション、パーティーなどを行うビッグイベントだったそうです。(僕は残念ながら体験できませんでしたが…)
複数のレポートを見る限り、一部のアクシデントも含め、今後のデジタルファッションに対し明るい光を提供してくれたイベントになったようです。
2023年の「メタバースファッションウィーク」の日程もすでに決定しており、2023年3月28日〜31日の期間にDecentraland内で開催します。今回は必ず会場に遊びに行く予定なので、もしタイミングが合えば一緒に会場をまわりましょうね。
まとめ
ここまでお付き合い頂き、まことにありがとうございます。
今回は「メタバースのおすすめプラットフォーム3選」について、ファッション好きやファッションに興味がある人に向けて書きました。
ファッションと特に親和性の高いプラットフォームをご理解いただけたことと思います。
どのプラットフォームも無料ですぐに始めることができるので、ぜひさっそく体験してみてくださいね。