2022年にバズワード化したメタバース。
そんなメタバースですが、2022年後半から2023年前半にかけては、一瞬の流行にのっかった人が次々に離れていき「メタバースは死んだ」といわれる状況でした。(本来のゲーム好きや、中長期的な視点でメタバースにいる人はまったくブレずに存在していましたね)
そんな中、ここ最近は、多くのNFTプロジェクトがメタバースに進出したり、大手企業がメタバースに参入したりと再び追い風が吹き始めている状況となってきました。
そんな追い風が吹き始めている今回は、メタバースで開催された音楽ライブ11選をご紹介していきます。
メタバースでの音楽ライブは、2020年頃から頻繁に開催されるようになりました。
世界的なアーティストや国内の人気歌手が、それぞれの個性×メタバースならではの演出で作り上げたバーチャルライブは、どれも圧巻のクオリティです。
メタバースでの音楽ライブは、オンラインならではの特性であるアーカイブ性があるので、過去のライブ作品が気軽に見れるのが特徴です。
今回はその特性をいかして、YouTubeにある世界中の音楽ライブを掘り出して、ギュッと11作品にまとめてご紹介していきます。
難しい用語をできる限り使わずに解説していくので、メタバース初心者の人も安心して読み進めてくださいね。
では、いきましょう!
メタバースとは
まず、簡単にメタバースについて解説しておきますね。
メタバースとは「インターネット上につくられた3次元の仮想空間」のことを指します。
メタバースではユーザー自身が作成したアバターを操作することによって、空間内を自由に行動したり、空間自体を作成することが可能です。
またメタバース空間では、世界各国の人とコミュニケーションを取ったり、1人でのんびりしたり、ビジネスを行ったりもできます。
オンラインゲームとメタバースの境界線は曖昧ではありますが、channel IVYでは『なんらかの価値交換や経済活動が行われている仮想空間』をメタバースだと定義づけしています。
この「メタバース」という言葉自体は、1992年にアメリカの作家ニール・スティヴンスンが「スノウ・クラッシュ」という小説の中で初めて使用した言葉です。(30年以上前から存在する言葉です)
2021年10月にFacebookが社名をMeta(メタ)に変更したことで、「メタバース」という言葉はバズワード化し、一気に普及しました。
メタバースとは?について、詳しくは下記の記事で解説しています。深掘りをしてみたい人はぜひ読んでみてくださいね。
メタバースでの音楽ライブの3つの特徴
メタバースでの音楽ライブには、大きく3つの特徴があります。
- アクセスの容易さ
- 新しい視覚体験
- インタラクティブ性
アクセスの容易さ
メタバースは、地理的な制約がないため、世界中のどこからでも参加が可能です。
これにより、ファンは自宅から、長蛇の列に並ぶことなく、気軽にアーティストのライブを楽しむことができます。
新しい視覚体験
メタバースでは、現実の物理的な制約を超えたビジュアルエフェクトやステージデザインが可能です。
これにより、アーティストを巨大化させたり、体から無数の星を放出させたりと、現実ではあり得ない視覚体験ができます。
インタラクティブ性
メタバースでは、観客がライブに直接参加し、アーティストや他の観客とのコミュニケーションを楽しむことができます。
アーティストのすぐ近くまで接近したり、ファン同士で音声やテキストチャットをしたりして相互に楽しむことが可能です。
このように、メタバースでの音楽ライブは、現実での音楽ライブにはない特徴・メリットがたくさんあります。
次の章では、実際におこなわれてYouTubeにアーカイブとして残っているライブを紹介していきます。
メタバースでのおすすめ音楽ライブ11選
ここからは、メタバースでのおすすめ音楽ライブ11選をプラットフォームごとにご紹介します。
Fortnite(フォートナイト)
Fortniteは、アメリカのEpic Gamesが2017年にリリースしたオンラインゲームです。
世界中に5億人以上のユーザーがおり、月間アクティブユーザー数は、7,000万人をこえます。
(※2023年3月「State of Unreal | GDC 2023」でのEpic Gamesの発表による)
Fortniteはバトルロイヤルや、様々な島でのパーティーロイヤル、有名アーティストのライブを多くのユーザーと一緒に体感できるのが特徴。
僕自身、Fortniteユーザーの1人です。
そんなFortniteでは、これまでに数多くのバーチャルライブが開催されてきました。
トラヴィス・スコット
トラヴィス・スコットは、2020年4月にFortniteでバーチャルライブ『Astronomical』を開催。
このライブは、ゲーム内でトラヴィスの巨大なアバターが登場し、「Sicko Mode」等を披露するという壮大な演出でした。このライブには、1,200万人以上のプレイヤーが参加し、大きな話題となりました。
また、このイベントにあわせて、トラヴィスのスキン、エモートが販売されたほか、グライダー「Astroworldサイクロン」と2つのロード画面が無料配布されたとのことです。
アリアナ・グランデ
アリアナ・グランデは、2021年8月にFortnite上で『Rift Tour feat. Ariana Grande』のバーチャル・ライブを行いました。
「raindrops (an angel cried) 」に合わせて流れ星の中から登場してきたり、巨大アバターと化したアリアナがノリノリで曲に合わせて踊っていたりと迫力と演出はFortniteならでは。
壮大で幻想的な映像美は、YouTubeからも確認できるのでぜひ上記動画でお楽しみください。
米津玄師
米津玄師は、2020年8月にFortniteで『米津玄師 2020 Event / STRAY SHEEP in FORTNITE』を開催しました。
Fortniteで初めて開催された日本人のライブがこのライブです。
新型コロナウイルス感染症が拡大していた状況下で、米津がファンと同じ時間を過ごせる方法として、このバーチャルライブは開催されました。
上記動画では約22分のロングバージョンが楽しめます。
星野源
星野源は、2022年6月にFortnite上で開催された『SOUNDWAVE』シリーズで全6曲を披露しました。
『SOUNDWAVE』シリーズは、Fortniteのクリエイティブ・モードでプレイヤーがアーティストの楽曲を楽しみながら、アーティストのビジョンに基づいたワールドでの体験をプレイできるというもの。
「喜劇」などの代表的な楽曲が披露されているので、ファンにとっては垂涎(すいぜん)の動画となっています。
Fortniteは、音楽ライブの他に、さまざまなファッションブランドとのコラボもおこなっています。くわしくは下記の記事で書いていますので、ぜひそちらも読んでみてくださいね。
Minecraft(マインクラフト)
Minecraftは、ブロックで構成された無限の世界を作っていく3次元サンドボックス型のゲームです。
2023年現在において世界で最も売れたゲームとして、世界中のファンに愛され続けています。
Minecraftは、単なるゲームではなく、教育的な効果としても期待されているゲームコンテンツです。
そして、その他にも音楽ライブが開催されたり、フェスが開催されたりと総合エンターテイメントゲームとして注目されています。
BTS
BTSは、2021年12月にYouTubeのストリーミングイベント『ESCAPE2021』に出演し、マインクラフトの世界でライブを披露しました。
BTSのメンバーが、マインクラフトならではのローポリ(少ないポリゴン数で形作られた3Dモノのこと)のキャラクターに扮していて、なんともキュートなライブとなっています。
いつもとは違ったBTSを見れる貴重な映像なので、アーミー(BTSのファン)は必見です。
Horizon Worlds(ホライゾン ワールド)
Horizon Worldsは、Meta社が提供するメタバースプラットフォームです。
VRヘッドセットを着用して仮想空間に入り、アバターを通じてコミュニケーションを取りながら、ゲーム、イベントなどを楽しむことができます。
2022年10月時点での月間アクティブユーザー数は約20万人と言われています。
そんなHorizon Worldsでは、過去にさまざまなアーティストのバーチャルライブが開催されてきました。今回は代表して1人をご紹介。
ノトーリアス・B.I.G.
2022年12月に故ノトーリアス・B.I.G.のバーチャルライブがHorizon Worldsで開催されました。
1997年に24歳の若さで亡くなったビギーの新たなライブが見れるのは、メタバースならではの試みですね。
90年代のブルックリンを再現した仮想空間でのビギーのパフォーマンスは、バーチャルであっても涙モノ。(僕は実際に少しだけ涙がでました)
ぜひヒップホップファンは上記動画でお楽しみください。
PUBG MOBILE(ピーユービージー モバイル)
PUBG MOBILEとは、最大100人の参加プレイヤーが無人島に降り立ち、そこに落ちている武器やアイテム、そして自分の腕を頼りに生き残りをかけて戦うバトルロイヤルゲームです。
人気バトルロイヤルゲーム「PLAYERUNKNOWN’S BATTLEGROUNDS」のスマホ版ゲームとなります。
BLACKPINK
BLACKPINKは、2022年7月に開催されたPUBG MOBILEとBLACKPINKの共同イベントで、バーチャルコンサート『THE VIRTUAL』を開催しました。
ライブでは、黒とピンクが基調の華やかな宇宙空間で、メンバーがキレッキレに踊ったり、ホバーボードに乗ったりと縦横無尽にパフォーマンスを披露しています。
『THE VIRTUAL』は、米MTVが主催する、世界最大の音楽授賞式「2022 MTV Video Music Awards」に新設された「Best Metaverse Performance賞」を受賞しており、その映像美は必見です。
Decentraland(ディセントラランド)
Decentralandは、イーサリアムブロックチェーンをベースにしたクリプト系メタバースです。
「LAND」と呼ばれる土地やウェアラブルを購入したり、メタバース内で開かれるイベントなどに参加して遊ぶことができます。
Decentralandは、音楽業界やファッション業界と非常に親和性の高いプラットフォームとなっており、「メタバースミュージックフェスティバル」や、メタバース最大のファッションイベント「メタバースファッションウィーク」はこのプラットフォームで行われています。
MIYAVI
MIYAVIは、2023年7月にDecentraland上の「OASIS KYOTO」というメタバース都市でライブを開催しました。
MIYAVIのアバターが、あの特徴的なスラップ奏法まで再現しており、「OASIS KYOTO」の煌びやかな空間とあいまって幻想的なライブとなっていました。(web3ゲーマーの「のろいちゃん」の解説も愉快です。動画アップありがとうございます)
Roblox(ロブロックス)
Roblox(ロブロックス)は、世界で大流行中のゲーミングプラットフォーム(ゲーム系メタバース)です。
1日のアクティブユーザー数は、世界で6,600万人以上(2023年3月時点)。若い世代を中心に世界中でプレイされています。
ユーザーは、Roblox内の多種多様なゲームをオンライン上でプレイできます。また、オリジナルゲームを開発し、世界中のユーザーにプレイしてもらうことも可能です。
そんなRobloxでは、ゲーム以外にもバーチャルライブの開催事例があります。
マライア・キャリー
マライア・キャリーは、2022年12月にRobloxで『Mariah Carey Winter Wonderland』を開催しました。
クリスマスソングの代名詞的なマライア・キャリーのクリスマスライブが自宅で無料で楽しめるのは、メタバースならではの魅力ですね。
マライア・キャリーが、「恋人たちのクリスマス」をはじめとした名曲をRobloxのポップな世界観で歌い上げる中、ユーザーがアイススケートをしながら遊んでいる光景はシュールで微笑ましいです。
Robloxは、こういった音楽ライブの他に、さまざまなファッションブランドとのコラボゲームもリリースしています。くわしくは下記の記事で書いていますので、ぜひそちらも読んでみてください。
ReVers3:x(リバースクロス)
ReVers3:xとは、ソニー・ミュージックレーベルズの仮想空間プロジェクトのこと。
ソニーのボリュメトリックキャプチャといった最新技術と、ゲームエンジンを使ったXR Liveを軸に、現実世界でのフィジカルライブの企画・プロデュース、展示イベント、NFTなど様々なものとコラボレーション(クロス)していくプロジェクトです。
そんなReVers3:xでは、これまでに国内で活躍するヒップホップアーティストの面々がバーチャルライブに出演しています。今回はその中から厳選して1人をご紹介。
KEIJU
KEIJUは、2022年3月にReVers3:xでバーチャルライブを開催しました。
ライブの撮影は、世界最高品質のソニーのボリュメトリック撮影スタジオにて実施されました。
ソニーの高い技術と高性能なカメラによる4K撮影に加え、Unreal Engineを活用した高いクリエイティブ作品となっています。
KEIJUの中毒性のあるフロウと映像美が重なって、とても美しいライブ映像になっているのでぜひ上記動画を見てみてくださいね。
Wave(ウェイブ)
Waveは、ライブ音楽、ゲーム、映像配信それぞれの優れた要素が組み合わさったバーチャルコンサートプラットフォーム。
エイベックス・グループの米国支社であるAvex USAが出資しているバーチャルコンサート事業です。
これまでに、世界中で人気を博しているさまざまなアーティストがここでバーチャルライブを実施していますが、今回はその中から1人だけご紹介します。
ジャスティン・ビーバー
ジャスティン・ビーバーは、2021年11月にWaveで『Justin Bieber – An Interactive Virtual Experience』を開催しました。
ライブ冒頭で、ジャスティンのアバターがクラシックカーの上にのってパフォーマンス開始。
走る車のボンネットに乗ったまま歌ったり、体から光を放ち続けたりと日常と非日常がいいバランスで混ざった演出でした。
またコンサートの中盤では、ジャスティンとファンとの会話やチャットを通してインタラクティブなやり取りがあり、オンラインならではのライブ演出となりました。
おわりに
今回は、メタバースで開催された音楽ライブ11選について動画付きで解説してきました。
現実のライブとは異なるアプローチのライブの数々に、圧倒されたのではないでしょうか。
メタバースでのバーチャルライブは、VRゴーグルを着用した上で参加することでとてつもない没入感を感じることができます。(もし、機会があればVRゴーグルを手に入れて試してみてほしい。)
しかし、VRゴーグルって高価だしハードルが高いという人が大半だと思います。
メタバースでの音楽ライブは、今回ご紹介した動画を見てもわかる通り、VRゴーグルがなくても十分に楽しめるクオリティです。
パソコン1つあれば気軽に楽しめるので、ぜひこの機会にお気に入りのメタバースを見つけて遊びに行ってみてくださいね。
このchannel IVYでは、ゲーム系メタバースからソーシャル系、クリプト系メタバースまで多くのメタバースを紹介しています。
ぜひ他の記事もチェックしてみてくださいね。
では、また。