デジタルファッションブランドの〈RTFKT〉を買収したり、様々なNFTアイテムをリリースしたりと、精力的にweb3領域で挑戦をし続けている〈Nike〉。
2023年4月には、〈RTFKT〉× “Air Force 1” のデジタルスニーカーの保有者向けに、実際のスニーカーがギフトされるフォージングイベントも開催され、話題となりました。
そんな〈Nike〉が提供しているプラットフォーム「.SWOOSH(ドットスウッシュ)」をご存じでしょうか。
「.SWOOSH(ドットスウッシュ)」は、〈Nike〉のデジタルウェアラブルのコミュニティ構築を目的としたWeb3プラットフォーム。
2023年5月に「.SWOOSH」で発売した“Our Force 1”は、140万ドル(約2億円)の売り上げを達成し、話題となりました。
現在は、アメリカやヨーロッパの一部の国でしか利用できない状態ですが、日本でのサービス開始も期待されています。
このプラットフォームでしか手に入らない〈Nike〉のスニーカーがあるため、日本でのサービスを開始したら、争奪戦が必至ですね。
(日本で発売されたら、絶対に手に入れてやる…)
今回は、そんな〈Nike〉があらたに取り組んでいるWeb3プラットフォーム「.SWOOSH」について解説していきます。
「.SWOOSH」とは
「.SWOOSH」は、2022年11月に〈Nike〉がリリースした、デジタルウェアラブルのコミュニティ構築を目的としたWeb3プラットフォームです。
「.SWOOSH」では、フィジカルとバーチャルのプロダクト購入や展示、取引、イベントやプロダクトへのアクセス、製品の共同制作などができます。
web3とは、インターネットの新たな形を表す概念で、ブロックチェーン技術を基にした「分散型インターネット」のこと。
メタバースや暗号資産、NFTなどのさまざまな技術や概念を内包しています。
「.SWOOSH」で発表されるバーチャルシューズやデジタルアイテムは、「.SWOOSH」のコミュニティメンバーがデジタルゲームや没入型体験をする際に着用可能になる予定とのことです。
また、フィジカルアイテムやイベントへのアクセス権も提供されるなど、総合的に〈Nike〉のweb3領域のハブのような役割を担うプラットフォームとなります。
まとめると、「.SWOOSH」のメンバーになることで、限定のデジタルシューズが手に入ったり、そのデジタルシューズを履いて、メタバース空間で遊べたり、さらに限定のフィジカルスニーカーを入手できるオンラインの場所ということですね。
「.SWOOSH」の特徴
「.SWOOSH」の特徴として、web3初心者に非常に優しいプラットフォームという点が挙げられます。
それは〈Nike〉が、NFTやメタバースの裾野(すその)を拡げ、より多くの人が、簡単に利用できるプラットフォームの提供を目指しているからです。
特に以下の2点は、「.SWOOSH」の大きな特徴です。
- 購入に暗号資産は必要ない
- web3の用語解説や、購入方法をわかりやすくブログで解説
購入に暗号資産は必要ない
「.SWOOSH」のデジタルアイテムを購入する際、暗号資産を準備する必要はありません。
現在は、USドルのみでデジタルアイテムの購入が可能です。
これは、暗号資産の知識がない人にとっては、とてもありがたい支払い方法ですよね。
購入するために、暗号資産取引所の口座開設や、ウォレットを作成する手間を省くことで、利用しやすいサービスになっています。
web3の用語解説や、購入方法をわかりやすくブログで解説
「.SWOOSH」のBlogでは、このプロジェクトの概要や、web3の用語解説、購入方法など、NFT初心者の人でも簡単に参加できるようサポート記事が用意されています。
そのため、ユーザーはこのBlog記事を見ることでプロジェクトを簡単に理解でき、楽に購入まで完了します。
こういったサポートの充実を見ると、〈Nike〉のweb3領域でのファンを獲得するための本気度が伝わってきますね。
日本からは、まだアクセスができない
「.SWOOSH」は、現在のところ、コミュニティの規模を制限したベータ提供の段階です。
そのため、「.SWOOSH」に参加できるのは、米国とヨーロッパの一部の国に限られています。
「.SWOOSH」へアクセスできる対象国は、徐々に拡大されていく方針とのこと。
今は、その時のために情報を集めて準備をしておきましょう。
Our Force 1
“Our Force 1”は、「.SWOOSH」から発売された初のデジタルコレクション。
このバーチャルスニーカーは、〈Nike〉を代表するスニーカー“Air Force 1”にインスパイアされたものです。
ユーザーは、“Our Force 1”の中の、「Classic Remix」ボックスと「New Wave」ボックスの2種類のボックスのどちらかを選択できます。
各ボックスには、2023年1月に4人のナイキファンが共同制作したデザインなど、異なるデザインの“Our Force 1”が収められています。
ボックスの価格は、“Air Force 1”が発売された1982年にちなんで、19.82USドルです。
「Classic Remix」と「New Wave」
「Classic Remix」は、1982年~2006年の“Air Force 1” のデザインを踏襲し、ノスタルジックな装飾が施されたデジタルシューズ、または、ユニークにカスタマイズされたデジタルシューズが格納されています。
「New Wave」は、2007年以降の“Air Force 1” のデザインが反映されたもの、または、近未来的な加工が施されたユニークなカスタマイズされたデジタルシューズが入っています。
Our Force 1の特典内容
“Our Force 1”は、3Dファイルとセットで提供される仕組みです。
保有者は、それらのデータをダウンロードして自分を表現するために使用することができる予定とのこと。
また、このデジタルシューズは、数ヶ月後にはユーティリティを解除することで、物理的な製品や体験へのアクセス権、ビデオゲームへの対応が予定されています。
〈Nike〉の製品を仮想空間、現実世界のどちらでも楽しめるなんて、僕たちファンからしたら最高以外の何物でもないですね。はやく、日本でも買えるようにしてほしい…(切実)
スポーツゲームの「EA Sports」と提携
2023年6月、〈Nike〉は、スポーツビデオゲーム開発で有名な〈EA SPORTS〉とパートナーを組み、仮想スポーツ体験に革命をもたらすことを発表しました。
〈EA SPORTS〉のゲームは、2022年にもっとも人気のあるゲームに選出された「EA SPORTS™ FIFA」や「Madden™ NFL」などで知られており、世界中で数百万人規模のファンをもったゲームブランドです。
このプロジェクトの詳細は、これからの発表となりますが、この体験は、没入型エクスペリエンスを特徴とし、ユーザーが〈EA SPORTS〉エコシステム内でアイテムをカスタマイズできるようにするとのこと。
このパートナーシップにより、〈Nike〉のweb3体験の提供は、ますます進んでいきますね!
おわりに
今回は、〈Nike〉のWeb3プラットフォーム「.SWOOSH」について解説してきました。
〈Nike〉のweb3への取り組みが加速していることをおわかり頂けたのではないでしょうか。
「.SWOOSH」はまだ日本からは利用できないサービスですが、今後、対応できる国は増えていく予定なので、その時は近いかもしれません。
〈Nike〉のスニーカー好きにとっては、〈Nike〉のデジタル製品に興味はありますよね。
フィジカルアイテムと比べて、「買い方や取り扱いが難しそう」というイメージで避けているのはもったいないと思います。
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