〈Nike〉と〈RTFKT(アーティファクト)〉のNFTコレクション“RTFKT Clone X Forging SZN 1”。
〈RTFKT〉は、この“RTFKT Clone X Forging SZN 1”の保有者に向けて、2023年4月24日から5月10日(当初の予定より2日間延長)の期間中、“RTFKT x Nike Air Force 1”の実物のスニーカーと交換できるフォージングイベントを開催しました。
ここでいう「フォージング」とは、NFTの保有者が、そのNFTをフィジカルアイテム(実際のスニーカー)に変換することを指します。
〈RTFKT〉は、このフォージングイベントに合わせて、新宿のサイネージでCGアニメーションを流したり、東京ビッグサイトで体験型イベントを開催したりしました。
今回は、そんな「“RTFKT x Nike Air Force 1”のフォージングイベント」について解説します。
〈RTFKT〉については、【徹底解剖】RTFKT(アーティファクト)とは?【Nike傘下のデジタルファッションブランド】で解説していますので、ぜひこちらから読んでみて下さいね。
RTFKT Clone X Forging SZN 1とは
“RTFKT Clone X Forging SZN 1”は、〈Nike〉と〈RTFKT(アーティファクト)〉、村上隆によるNFTコレクションです。
2022年8月30日にコレクションが発表され、“Clone X”ホルダー向けのミントは、8月31日から9月7日まで実施されました。
NFTのミントとは、NFTを新たに発行することを指します。
“RTFKT Clone X Forging SZN 1”には、Air Force 1を始め、Tシャツやフーディ、パンツ、ソックス、キャップなどがあります。
CLONE X(クローンエックス)とは、〈RTFKT〉と村上隆が手掛ける「クローン化した人類」がテーマのNFTプロジェクトのこと。
メタバースへの実装を視野に入れた、ハイクオリティなアバターが特徴のプロジェクトです。
Clone Xのキャラクターの目、口、髪型、服などのパーツを村上氏がデザイン。それぞれのパーツをランダムに組み合わせた2万個のアバターNFTが販売数となります。
RTFKT x Nike Air Force 1の10種類
“RTFKT Clone X Forging SZN 1”のAir Force 1には合計10種類のモデルがあります。
- Human
- Robot
- Demon
- Angel
- Reptile
- Undead
- Alien
- Murakami Drip
- Murakami DNA
- Genesis
この10種類のAir Force 1は、“Clone X”のDNAをベースにデザインされています。
Clone XのDNA8種類
“Clone X”には、キャラクターごとにDNAという概念が設定されており、それぞれのレアリティ(希少性)は異なります。
DNAは以下の8種類。
- Human(人間)
- Robot(ロボット)
- Demon(悪魔)
- Angel(天使)
- Reptile(爬虫類)
- Undead(ゾンビ)
- Alien(宇宙人)
- Murakami(ムラカミ)
Human(人間)が一番数が多く、次いでRobot(ロボット)です。この2つで全体の80%ほどを占めており、Alien(宇宙人)やMurakami(ムラカミ)がレア度の高いDNAとなります。
また、“Clone X”には2つのライセンスタイプというものがあり、全体の約15%にあたる「Murakami drip」には商用ライセンスが付属しません。
この特性がない85%の“Clone X”のホルダーは、最大100万米ドルまで商用利用することができます。
この「DNA」と「ライセンスタイプ」の組み合わせにより、レアリティ(希少性)が変わってくるのが“Clone X”の特徴です。
RTFKT x Nike Air Force 1のフィジカルスニーカーの特徴
つぎに、今回のフォージングによって得られる“RTFKT x Nike Air Force 1”のフィジカルスニーカーの特徴を解説します。
特徴は主に3つ。
- 片側面のスウッシュがRTFKTロゴに変更されたオリジナルデザイン
- RTFKT WM CHIPを内蔵
- 受注生産
片側面のスウッシュがRTFKTロゴに変更されたオリジナルデザイン
“RTFKT x Nike Air Force 1”は、片側面のスウッシュがRTFKTのロゴに変更されたデザインです。
〈Nike〉とTravis Scottとのコラボモデルで、スウッシュロゴが反転したケースはありますが、スウッシュロゴが別のものに変更された事例は、Air Force 1がつくられた1982年以降で初となります。
また、“RTFKT x Nike Air Force 1”の10種類のスニーカーは、モデルごとに、素材感が異なり、それぞれの個性が光ったモデルです。
自然なタンブル加工を施したフルグレインのアニリンレザー、エンボス加工を施したフルグレインのピグメントレザー、成形レンズ状のアクセントなど、上質な素材が使用されているのも特徴として挙げられます。
RTFKT WM CHIPを内蔵
“RTFKT x Nike Air Force 1”のフィジカルスニーカーには、埋め込み式のRTFKT WM Chip(World Merging NFC Chip)が搭載されています。
このチップをスマホを介してウォレット認証することで、NFTと連携が可能です。
今後は、このRTFKT WM Chipで、スニーカーの真贋証明や新しい体験にも利用される予定とのこと。
このようにデジタル世界と現実世界をつなぐ取り組みも特徴の1つです。
受注生産
“RTFKT x Nike Air Force 1”は、フォージングをおこなったNFT保有者のみにフィジカルスニーカーが作られる受注生産方式です。
そのため、フォージングを行わなければフィジカルスニーカーは手に入りません。
フォージングをおこなったホルダーには、2023年10月~12月に配送される予定なので、それ以降でリセール市場の相場は相当上がりそうですね。(現在は、まだStockX等にも出品されていません)
RTFKT x Nike Air Force 1のフォージングイベントとは
“RTFKT x Nike Air Force 1”のフォージングイベントが2023年4月24日から5月10日(当初の予定より2日間延長)に開催されました。
当初予定していた5月8日までのフォージングイベント中に、フォージングをしていない多数のホルダーがいることが明らかになり、急遽5月10日の正午(※米国東部標準時)までイベント期間が延長されました。
“RTFKT x Nike Air Force 1”のNFT保有者は、期間中にRTFKTの専用ページから引き換えが可能です。
フォージング後に実際のスニーカーが手元に届くのは、2023年10月~12月頃とのこと。
おそらくプロモーションの一環として関係者に配布された「RTFKT x Nike Air Force 1 Genesis」のフィジカルスニーカーをLeBron James(レブロン・ジェームズ)が履いていました。
“RTFKT x Nike Air Force 1”にエンブロイダリージャケット+ドゥーラグのスタイリング。。。
眼福でございます。
新宿3丁目のサイネージでのCGアニメーション放映
〈RTFKT〉は、今回のフォージングイベント開催に伴い、2023年4月23日〜30日にかけてCGアニメーションを放映しました。
上記は、東京・新宿3丁目にある『クロス新宿ビジョン』のサイネージで放映された、〈RTFKT〉の手掛けたCGアニメーションです。
この〈RTFKT〉のツイートには、7,000件(2023年5月10日時点)を超える「いいね」がついており、SNSでも大きな反響をよんでいました。
このような〈RTFKT〉と〈Nike〉のアプローチは、NFTに興味・関心が薄い層にも確実に届き始めており、さらなるファンの獲得が期待されています。
4/30開催のRTFKT Special Event
2023年4月30日、東京ビックサイトにて“RTFKT Special Event”が開催されました。
このイベントは、同じく東京ビッグサイトでおこなわれた“GEISAI#22 & Classic”にあわせて開催されたイベントです。
“GEISAI”は、村上隆とカイカイキキが企画・キュレーションする入場無料の体験型イベントです。
事前登録不要・入場無料でおこなわれたこのイベントでは、“RTFKT x Nike Air Force 1”のフィジカルスニーカーを実際に見ることができたようです。
また、“CloneX”や、新プロジェクト“アニマス(ANIMUS)”の制作過程、イラスト画、“RTFKT x Nike Air Force 1”の紹介映像が放映されたとのこと。
配布されたアイテム
“RTFKT Special Event”では、来場者に複数のギフトが配布されました。
- 無料でミントされた限定NFT
- イベント限定Tシャツ
- イベント限定ポスター
配布された限定NFTは、一番数の多かった「RTFKT x TAKASHI MURAKAMI FLOWER BLADE-silver」で、OpenSeaの最低価格が0.03ETH(約7,400円 ※2023年5月10日時点のレートによる)という価格で取り引きされています。
この限定NFTの配布時には、ウォレットを保有していない方のためにウォレットの作り方のパンフレットが配布されたり、ガス代を持ち合わせていない来場者にガス代まで送金してくれる対応だったそうです。
ガス代とは、ユーザーがネットワークとやり取りするためにイーサリアムが要求する手数料のこと。
NFTへのハードルを下げるこのような〈RTFKT〉の取り組みは、本当に素晴らしいですね。
RTFKT×NikeのNFTの購入方法
“RTFKT x Nike Air Force 1”のフォージングは、2023年5月10日で終了しましたが、今後も他のNFTコレクションでフォージングイベントが開催されることが予想されます。
NFTの購入に興味のある人向けに、OpenSeaでのNFTの購入の流れを簡単に説明しますね。
OpenSeaでNFTを購入するには、暗号資産の「イーサリアム(ETH)」と「デジタルウォレット(メタマスク)」が必要です。
NFTの購入手順は、大きく5つです。
- 暗号資産(仮想通貨)取引所の口座開設をする
- 暗号資産(仮想通貨)取引所でイーサリアム(ETH)を購入する
- 購入したイーサリアム(ETH)をメタマスク(デジタルウォレット)に移す
- メタマスクとOpenSeaを接続する
- 購入したいNFTのページにアクセスして、購入する
下記の記事で、画像付きで口座解説の方法、イーサリアムの買い方、メタマスクへの送金方法を解説していますので、ぜひ参考にしてみて下さいね。
おわりに
今回は、「“RTFKT x Nike Air Force 1”のフォージングイベント」について、解説してまいりました。
〈RTFKT〉と〈Nike〉のNFTコレクションについて、保有することで得られるメリットがだんだん見えてきましたね。
NFTの使い方に関しては、どこの企業やブランドも、試行錯誤を繰り返しながら取り組んでおり、われわれ消費者には、まだ明確に保有するメリットが伝わってこないケースが多いです。
しかし、〈RTFKT〉と〈Nike〉に関しては、NFTを保有することのメリットや特典がわかりやすく設計されています。
また、マス層にむけてのわかりやすいアプローチをしていく姿勢が感じられ、1つ1つの取り組みに関しても、毎回ワクワクされられます。
今後の〈RTFKT〉と〈Nike〉のNFTへの取り組みは、加速することが予想されます。スニーカーヘッズや、〈Nike〉ファンの方々は、このタイミングでNFTについて学び始めてはいかがでしょうか。