【徹底解剖】adidas(アディダス)のNFTプロジェクトとは?【Into The Metaverse】

メタバースでの着用が可能なデジタルウェアラブルや、2次市場で高価な売買をされているNFTなど、web3領域で話題を提供し続けている〈adidas(アディダス)〉。

そんな〈adidas〉は、2021年という早い時期から、NFTに参入し始めていました。

スポーツブランドである〈adidas〉が、なぜここまで積極的にNFTプロジェクトを推し進めているのか。

プロジェクトの詳細を紐解きながら、解説していきます。

〈adidas〉のNFTプロジェクト「Into The Metaverse」は、現在第3フェーズまで続いている壮大なプロジェクトです。
デジタルとフィジカルの両面で、〈adidas〉を楽しめる体験を提供しつづけています。

2023年3月には、メタバース最大のファッションイベント「メタバースファッションウィーク」で、そのショーのクオリティの高さから、一番の話題をさらっていた〈adidas〉。そのコレクションでアバターが着用していたNFTファッションは、とても斬新なデザインなものでした。

今回は、そんな〈adidas〉のNFTプロジェクトについて、NFT初心者でもわかるよう解説していきます。

ファッション好きな人はもちろん、メタバースやNFTに興味がある人も必見ですよ。

adidas(アディダス)のweb3領域の取り組み

引用:adidas

〈adidas〉は、世界的なスポーツブランドとして知られていますが、実はweb3領域に積極的に取り組んでいるブランドでもあります。

web3とは、インターネットの新たな形を表す概念で、分散型インターネットのこと。
ブロックチェーン技術により、ユーザーが、自分のデジタル資産を自由に管理できる仕組みです。
ブロックチェーン技術を用いられた「NFT」や「メタバース」も、web3の概念の1つに含まれています。

〈adidas〉は、web3における新たな表現や価値創造の可能性に注目し、自分たちのビジョンである「Impossible is Nothing」を実現するために、「NFT」「メタバース」に2021年12月より参入し始めました。

〈adidas〉は、このNFTプロジェクトを通じて、「メタバース」における新しいファッションやカルチャーを創造することを目指しています。

adidasのNFT「Into The Metaverse」とは

引用:adidas

〈adidas〉のNFTプロジェクト「Into The Metaverse」は、2021年12月に開始されたプロジェクトです。

「Into The Metaverse」の作品は、3万点が販売価格0.2ETH(現在のレートで約6万2千円 ※2023年12月17日時点)で出品され、即完売しました。その後、2次市場では高値で取引され続けています。

このNFTコレクションは、保有することで、デジタルアイテムとフィジカルアイテム(現物)の両方を得ることが可能です。

「Into The Metaverse」の3つのコラボレーション相手

「Into The Metaverse」は、NFT市場で人気の高い3者とコラボレーションをしています。

  • Bored Ape Yacht Club(ボアードエイプヨットクラブ)
  • PUNKS Comic(パンクス・コミック)
  • gmoney

Bored Ape Yacht Club(ボアードエイプヨットクラブ)

引用:OpenSea

Bored Ape Yacht Club(BAYC)は、世界的に人気の高いNFTコレクションの1つです。

BAYCの保有者には、ジャスティン・ビーバーや、スティーヴ・アオキ、エミネム、ネイマールなど、世界的な著名人や海外セレブ、プロスポーツ選手が保有していることを公言しています。

類人猿をモチーフにしている特徴的な猿のイラストのNFTは、それを保有することで、会員限定の特典やコミュニティに参加できることもメリットとして挙げられます。

PUNKS Comic(パンクス・コミック)

引用:Punks Comic

Punks Comicは、コレクターに実用性を提供する世界初のNFTコミックとして、高い人気を誇るNFTプロジェクト。

NFTのブームにおいて、火付け役となったコレクションのCyptoPunks(クリプト・パンクス)が、このコミックの登場人物のモデルとなっている点がとてもユニークです。

この「PUNKS comic」のIssue #2(第2巻)では、〈adidas〉の「Into The Metaverse」プロジェクトと連動したストーリーが展開されています。

gmoney

gmoneyは、NFT市場で有名なNFT収集家であり、投資家、インフルエンサーとして知られています。

gmoneyは、NFTの技術と普及に熱心に取り組んでおり、NFTの認知拡大に貢献している人物です。

メタバースマスタークラス 引用:adidas

今回の「Into The Metaverse」においても、メタバースマスタークラスを提供しており、「ブロックチェーン」「NFT」「デジタルウォレット」の話題を中心にweb3について解説してくれています。(字幕付きでとてもわかりやすい内容です)

以上が、〈adidas〉とコラボレーションをしているプロジェクトや人物です。

「フェーズ1」~「フェーズ3」までの流れ

引用:adidas

〈adidas〉は、「Into The Metaverse」を通して、顧客に「メタバース」における新しいファッションやカルチャーを創造することを目指しています。

「Into The Metaverse」には、そのためのロードマップがあり、「フェーズ1」から始まったプロジェクトは、現在「フェーズ3」に突入しました。

フェーズ1

引用:adidas
引用:OpenSea

「フェーズ1」のNFTは、adidasのメタバースプロジェクトに参加するためのパスポートです。

このNFTを保有していると、adidasのメタバース内で特別な体験やコンテンツを楽しむことができます。

フェーズ2

引用:adidas
引用:OpenSea

「フェーズ2」では、「フェーズ1」のNFTホルダー限定でフィジカルアイテム(現物)が提供されました。

ホルダーは、ガス代(取引手数料)のみ支払えば、このフィジカルアイテムを入手できます。

その後、「Adidas Originals Capsule NFT」が、ホルダーにエアドロップ(無償配布)されました。

Adidas Virtual Gear Collection 引用:adidas

後日、〈adidas〉は、この「Adidas Originals Capsule NFT」が、「Adidas Virtual Gear Collection」に変化することを発表。「Adidas Virtual Gear Collection」のデジタルウェアを入手したいホルダーは、NFTをバーン(NFTを燃やして、永久的に削除すること)することで、デジタルウェアが入手できます。

NFTを保有していない一般ユーザーは、「OpenSea」の販売ページで「Adidas Virtual Gear Collection」を購入できます。

フェーズ3

引用:OpenSea

「フェーズ3」は、「ALTS by adidas」とよばれるNFTコレクション。

このコレクションは、メタバースにおける人々の自己表現方法を変えることを目的としており、デジタルアバターが変化していく、ユニークなNFTです。

「ALTS by adidas」は、ダイナミックNFT(NFTの表示を変化させることができる機能を持つNFT)であり、異なる特徴やあらゆるストーリー展開に対応する8種類の異なる「ALT[er]  ego」(特性)が存在します。

所有する「ALT[er]  ego」によって独自のアイデンティティを持つコレクションができるため、ユーザーに合わせ、パーソナライズされたNFTを提供することが可能です。

「フェーズ1」または「フェーズ2」のNFTホルダーが、NFTをバーンすることで「ALTS by adidas」を手に入れることができます。

「ALTS by adidas」は現在進行中のコレクションです。

現段階での〈adidas〉からの発表によると、「フェーズ3」の最終段階では、ユニークなPFP NFTを獲得することができるとアナウンスされています。

PFP(profile picture・profile photo)とは、SNSのプロフィールアイコン用の画像のことをさします。

今後、数か月をかけて、プロジェクトの詳細と特典を発表していく予定とのことです。

「Into The Metaverse」の3つの特典

「Into The Metaverse」NFTの保有者には、主に3つの特典があります。

  • デジタルウェアラブルを入手できる権利
  • フィジカルアイテムを入手できる権利
  • 「ALTS by adidas」のアバターのさまざまな特典

デジタルウェアラブルを入手できる権利

トラックスーツ 引用:adidas
ビーニー&フーディ 引用:adidas

「Into The Metaverse」NFTの保有者は、デジタルウェアラブルを入手できる権利を持っています。

無償で入手できるアイテムは以下のとおり。

  • トラックスーツ
  • フーディ
  • ビーニーキャップ

デジタルウェアラブルは、複数のメタバース(Roblox、The Sandbox、Decentraland、Zepeto等)で着用可能です。

フィジカルアイテムを入手できる権利

フーディ 引用:adidas

「Into The Metaverse」NFTの保有者は、デジタルウェアラブルと同じデザインのフィジカルアイテムをゲットできます。

  • トラックスーツ
  • フーディ
  • ビーニーキャップ

メタバースで着用できるウェアラブルを現実世界でゲットできるのは、嬉しい特典ですね。

「ALTS by adidas」のアバターのさまざまな特典

引用:adidas

「フェーズ3」の「ALTS by adidas」は、さまざまな特典があります。

主な特典は以下のとおり。

  • ALTS by Adidasのエコシステムへの参加権
  • 商業用知的財産権の取得
  • デジタルウェアラブルアイテムへのアクセス権
  • 限定コミュニティイベントへの招待

豊富な特典と、web3でのさまざまな体験を提供してくれる「Into The Metaverse」。

このNFTを保有することで、デジタル資産を保有するだけでなく、〈adidas〉コミュニティの一員としてweb3を体験できることは、特別な体験となるでしょう。

おわりに

今回は「〈adidas〉のNFTプロジェクト「Into The Metaverse」について解説しました。

〈adidas〉のweb3への、積極的でユニークな取り組みについて、理解が深まったのではないでしょうか。

今回の記事では割愛しましたが、実は〈adidas〉は〈Prada〉とコラボレーションNFTを出していたり、メタバースファッションウィークでコレクションを発表したりと、web3に関して、ファッション業界ではトップランナーです。

「フェーズ1」「フェーズ2」でこのNFTを買い逃した人も、OpenSeaで「ALTS by adidas」のNFTは購入できるので、興味がある人はぜひチェックしてみてくださいね。

引き続き、「Into The Metaverse」のプロジェクトが進行していった際は、別記事で書かせていただきます。

では、また。