【ジョブズの言葉】コネクティング ザ ドッツ(connecting the dots)を掘り下げてみた

35℃を華麗に超えてくる日々が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。

記録的猛暑という言葉にも驚きは薄れ、ただただ酷暑である「2024’夏」をどうにか満喫していることと思います。

僕は、2023年よりフリーランスとなり、コツコツと蒔いていた種が発芽し、色々お仕事の相談を頂く機会が増えてきました。

まさに、「仕事ざんまいの夏」です。

そんな今回は、スティーブ・ジョブズが2005年にスタンフォード大学でのスピーチで語った「コネクティング ザ ドッツ」について深ぼっていきます。

仕事ざんまいの時こそ、一息ついて頭の中を整理する時間が必要です。

僕自身、一旦日々の仕事を脳から切り離し、集中して文章を書いていきますので、ぜひあなたも雑念を取り払って、リラックス状態で読み進めてくださいね。

今に集中する」ことこそが、「コネクティング ザ ドッツ」という考え方とも繋がってきます。

ぜひ、「コネクティング ザ ドッツ」について理解を深めていきましょう。

コネクティング ザ ドッツとは

「コネクティング ザ ドッツ」とは、スティーブ・ジョブズが2005年にスタンフォード大学でのスピーチで語った概念です。

ジョブズは、このスピーチで以下3つのストーリーを語りました。

  • 点と点をつなぐ(コネクティング ザ ドッツ)
  • 愛と喪失
  • 死について

ジョブズは、自身の人生を振り返り、過去の出来事がどのようにして現在の成功につながったのかを、卒業生にむけて話しました。

その冒頭で「コネクティング ザ ドッツ」について、以下のように語っています。

大学退学を決めて必須の授業を受ける必要がなくなってから、自分の興味の赴くまま、カリグラフの講義を受けました。

ひげ飾り文字を学び、文字を組み合わせた場合のスペースのあけ方も勉強しました。

何がカリグラフを美しく見せる秘訣なのか会得しました。

そして、科学ではとらえきれない伝統的で芸術的な文字の世界のとりこになったのです。

これがいずれ何かの役に立つとは考えもしなかった。

ところが10年後、最初のマッキントッシュを設計していたとき、カリグラフの知識が急によみがえってきたのです。

そして、その知識をすべて、マックに注ぎ込みました。

美しいフォントを持つ最初のコンピューターの誕生です。

上記は実際にジョブズが語った英文を和訳し、さらに要約した文章です。

「コネクティング ザ ドッツ」が教えてくれるのは、好奇心を大切にすること。

一見無駄に思える経験も、いつか他の点と繋がり、花開く可能性がある。

だから、興味のあることに飛び込む勇気を持つこと。

これが、今でも多くの人に影響を与えている「コネクティング ザ ドッツ」という概念です。

僕にとっての「点と点をつなげる」

「コネクティング ザ ドッツ」における「点(ドッツ)」をまず定義しておきましょう。

  • 夢中になって1点集中で取り組んできたこと

あなたの中にも、これまで夢中になって取り組んできたことが、少なくとも1つはあると思います。

スポーツ、ゲーム、筋トレ、プログラミング、執筆、絵を描く、ストリートダンスなど。

ポイントは、取り組んでいる最中に、それが未来に役に立つかどうかを忘れるくらいのめり込んでいること。

始めたきっかけはなんでもいいと思いますが、後先考えずに夢中で取り組んできたことでなければ、点としては脆(もろ)いといえるでしょう。

これを「コネクティング ザ ドッツ」の「点」の定義として話を進めます。

僕自身のはなし

僕は、現在、デジタルマーケティング領域で、SEOのディレクション、LPO、執筆、SNS運用など幅広めで仕事を受けています。

今回は現在の仕事面で活かされている、自分の点(ドッツ)について洗い出してみました。

  • アパレル時代に触れた膨大な量のデザイン
  • 生成AI
  • 瞑想・坐禅

細々(こまごま)とした「点(ドッツ)」は多くありますが、絞るとこの3つです。

アパレル時代に触れた膨大な量のデザイン

ファッション領域で働いていた約13年間。

膨大なブランドのデザイン、色合わせ、スタイリング、ロゴなどを目にしてきました。

洋服のデザインだけでなく、日本語フォントの明朝体やゴシック体、欧文書体のセリフ体やサンセリフ体など、フォントが人に与える影響。

また、余白の美しさや色が与える印象など。

デザインを浴び続けた13年間の知見は、今の仕事にも多分に影響を与えています。

これは、LPや、ウェブデザイン、バナーを作成する際などに強く感じているのですが、男性のマーケターやライターの多くは、このデザインに苦戦する方が多い印象です。(女性は男性と比べると、約4倍の色の識別能力を持っているといわれており、繊細なデザイン感覚を持ち合わせている印象です。)

しかし、僕はデザインする作業を苦にすることなく、おこなえます。

これは、アパレル時代に触れた膨大な量のデザインによる、デザインの判断力(点)と、現在のマーケティングにおけるクリエイティブ制作(点)が結びついたといえるでしょう。

生成AI

生成AIに関しても、僕にとっての「点(ドッツ)」です。

2022年秋ごろから、画像生成AIを触り始め、現在は 「ChatGPT」 「Gemini」 「Claude」 「Perplexity AI」等のテキスト生成AI、「Luma Dream Machine」等の動画生成AI、「Suno AI」等の音楽生成AIなど、たくさんのAIを使っています。

最初は、興味から使い始めた生成AIですが、気づけば仕事の中にどのように組み込めるかを考え、実際に仕事で大量のコンテンツを作成する際などに、生成AIを使い倒しています。

商用利用ができるオリジナルの画像作成や、大量に記事を投下したいメディアでの記事制作など、生成AIは使い方次第で、既に仕事でも活用できるレベルです。

そして、この生成AI。

自分では当たり前に使っていたのですが、仕事仲間で日々使っている人は仕事周りでも一部のみ。

日々、当たり前に触れ続けていた生成AIが、こんなにも早く仕事に直結するとは想像もしていませんでした。

これも、「コネクティング ザ ドッツ」といえます。

瞑想・坐禅

3つ目は、瞑想と坐禅です。

別の記事でも書いているのですが、僕は、2024年の年始から毎日坐禅をしています。

当初の目的は、主に「集中力を高めたい」というところからスタートしましたが、凝り性な性格も重なり、複数のお寺での坐禅会や、瞑想の会などに参加するようになりました。

そして、この瞑想・坐禅も「コネクティング ザ ドッツ」なんです。

今年の春先に、あるお寺からWeb集客の相談がきました。

相談内容は、主に、「HPからの問い合わせを増やしたい。」だったのですが、そのお寺さんは、地域の方とのコミュニケーションをはかるためにイベントも積極的にやっていきたいということでした。

僕はその時点で、宗派をこえて様々なお寺での催しに参加していたので、他のお寺でのイベントの様子や、集客状況などを専門用語をまじえながら自然と話すことができたのです。

相談してくださったお寺さんも、それにはとても驚いており、僕自身もセレンディピティ(偶然の産物・幸運な偶然を手に入れる力のこと)だ!と強く感じました。

何事も、好奇心をもち、それをまずは夢中で取り組むことで、こういうことが起こるんだなぁと思う出来事でした。

まずは、核となる「点」に夢中で取り組む

ここまで僕の経験もふまえてお話してきましたが、「コネクティング ザ ドッツ」における本質は、「点(ドッツ)」に夢中で取り組むことだと思っています。

想像してみてください。

なんとなくキャリアアップの為に、TOEICで700点以上を取りたいと考えている人。

英語が第一言語の女性を好きになり、その人の事をもっと知りたい、もっと仲良くなりたいと思っている人。

英語の習得スピードが速いのでは、どう考えても後者ですよね。

何かの目的を達成するための手段として取り組むことよりも、その取り組むこと自体が目的になっている状態の方が、圧倒的にパフォーマンスが最大化されます。

「夢中になって目の前のことに取り組む」ことで、濃い点ができ、他の濃い点と結びついた時に強力な線となる。

僕にとって、10代後半から30代まで夢中になっていたストリートダンスや、色んな音楽のディグ作業なども今の自分を形成する点となっています。

目の前のことに熱中することこそが、「コネクティング ザ ドッツ」の本質です。

人生はロングゲーム

現代は、日常にドーパミンを刺激するコンテンツで溢れかえっています。

YouTubeやNetflixからは、日夜あたらしいスターが誕生し、次々と目新しい情報が僕たちに影響を与え、誰しもが「何者かになる!」という意識が芽生えやすい世界線です。

当然、「何者かになる」ために、色んなことに手を出し、すぐに違うものに興味がうつる。またしばらくして、別の新しいことに興味がうつる。そんな連続だと思います。

しかし。

たったの数か月取り組んだことから、人の心を動かすような価値がうまれることは決してありません。

その価値は、他の誰もが与えうる価値です。

こんな時代だからこそ、本当に自分が夢中になれるものであれば、他の人が興味をもたないもの、一見すぐに役に立たなそうなものであっても、夢中に取り組むことで「点(ドッツ)」が生まれるんだと思います。

そして、その「点(ドッツ)」がどこかの誰かの心を動かす「価値」になる。

僕は、現在41歳ですが、歳を重ねるほど、「人生はマラソンである」という言葉が腹落ちするようになってきました。

急ぐことはあっても、慌てずに。

興味のあることに夢中になって、取り組んでいきましょう。

おわりに

今回は、ジョブズが2005年にスタンフォード大学でのスピーチで語った「コネクティング ザ ドッツ」について、深掘りしてきました。

この記事を通して、何かしらの気づきがあればとても嬉しく思います。

僕自身、これまでの人生を振り返ると、「かなり寄り道してきたなぁ」と感じる人生です。

しかし、その寄り道が今の自分を形成する土台になっている実感が、多分にあります。

40歳をこえてくると、後先を考えて行動をすることがデフォルトとなりますが、自分の好奇心に忠実でいることも忘れずに、愉快に日々を生きていきましょう。

では、また!