「RTFKT(アーティファクト)ってどんなブランドなんだろう…」
「RTFKT(アーティファクト)って他のデジタルファッションブランドとどこが違うのかな…」
「RTFKT(アーティファクト)は色々コラボレーションしているらしいけど、実際どのブランドとコラボレーションしているんだろう…」
このような疑問をもつ人に向けて、「RTFKT(アーティファクト)」についてわかりやすく解説します。
結論、デジタルファッションブランドとして大変な人気を誇るブランドです。
その人気や実績から、「デジタル時代のLVMH」「デジタルオーディエンスのための、新しい時代のSupreme(シュプリーム)」と評されています。
NFTに関連する用語等、一部難しいワードが出てきますが、わかりやすく解説しながら説明していきます。安心してついてきて下さいね。
では、いきましょう!
RTFKT(アーティファクト)とは
RTFKT(アーティファクト)とは、2020年1月に発足した、デジタルファッションに特化したブランドです。
ハイクオリティなデジタルスニーカーで人気を博し、現在は、デジタルファッションアイテム全般や、アバター、トイなども手掛けています。
そんなRTFKTの名が、一部のファッションギークにひろまったのは2021年3月のこと。
RTFKTが開催したバーチャルスニーカーのオークションにて、開始たった7分で600足、310万ドル(約3億3,200万円)もの売上を叩き出しました。
そして、RTFKTの名前が一躍、世間に知れ渡ったのが、2021年12月。あのNikeに買収されたのです。
創業から約2年、たった3名で発足したベンチャー企業が、Nikeの傘下に招き入れられるというホットなニュースは、ファッションやゲーム、NFT界隈などさまざまな業界を驚かせました。
RTFKT(アーティファクト)の特徴
RTFKT(アーティファクト)の特徴は、大きく3つあります。
- デジタルファッションに特化したブランド
- 発売されたデジタルスニーカーの多くが即完売の人気ぶり
- メタバースでの着用が可能
デジタルファッションに特化したブランド
RTFKTは、デジタルスニーカーを発端に、デジタルファッションアイテム全般や、アバター、トイの制作・販売をおこなっているブランドです。
2020年1月に、友人同士であった、ベンワ・パゴット(Benoit Pagotto)、スティーブン・ヴァジリー(Steven Vasiley)、クリス・リー(Chris Le)の3人でスタートしました。
3人は、15年ほど一緒にアニメやゲームなどのカルチャーを共有してきた友人同士であり、いわゆるギークな方々です。
(日本のアニメや文化にも影響を受けているとのこと)
彼らは、各々が「3Dアセットや人気ゲームのスキン制作」「セレブ向けのスニーカー制作」「eスポーツ企業でマーケティング担当」を行っていた経歴の持ち主。
その創業者のひとりであるスティーブン・ヴァジリーは、多くの人が転売を目的に一度も履かずにスニーカーを流通させている状況を見て、「フィジカルな靴は不要なんじゃないか、デジタル上での取引でもいいんじゃないか」との考えからブランドを作ったと語っています。
「オールドワールド」からの脱却
創業者の3人は、既存ブランドの世界を「オールドワールド」と表現し、そこからの脱却を目指しています。
クリエイターへの高い報酬分配比率やプロダクトリリースまでのスピード感は、RTFKTならではといえるでしょう。
そんな背景のもとスタートしたブランドが急速に成功を掴んだきっかけ。
それは、「オールドワールドからの脱却」というマインドセット+3人のデジタル業界のスキル・経験によるものが大きいのではないでしょうか。
とにもかくにも、RTFKTは、デジタルファッション業界の中心にいるブランドであることは間違いようのない事実です。
発売されたデジタルスニーカーの多くが即完売の人気ぶり
RTFKTのスニーカーの多くは、初めて売りに出される(ミント)タイミングで即完売してしまうほど常に人気です。
新しくNFTアイテムが作られ、発行することを、ミント(Mint)といいます。
人気アイテムは、ミント時から時間がたつと値段が跳ね上がることが多いため、初回販売時の買いの需要は高まります。
実際、2021年3月、RTFKTが開催したバーチャルスニーカーのオークションでは、開始たった7分で600足、310万ドル(約3億3,200万円)が売れ、即完売の売れっぷりが話題となりました。
そのため、RTFKTのスニーカーは、NFTマーケットプレイスのOpenSeaなどの2次流通で、常に高値で取引がされています。
その中でも特に高値が付いているスニーカーを2モデルをご紹介します。
RTFKT x Nike Dunk Genesis CryptoKicks
2021年12月にNikeの傘下に入った後、初めてNikeから発売されたコレクションです。
Nike Dunk Genesis CryptoKicksシリーズの中で一番高値になっているのが、こちら。
「RTFKT x Nike Dunk Genesis TM CryptoKicks」
直近の取り引き額は、45ETH(約1,048万円 ※2023年3月20日時点の相場から算出)です。
現実世界のプレ値がついているスニーカーでも、ここまでの価格はほぼ見かけませんよね。すごい…
RTFKT x Nike Air Force 1
こちらは、“RTFKT x Nike Air Force 1 Alien”というスニーカーです。
こちらの1足は、6ETH(約139万円 ※2023年3月20日時点の相場から算出)となっておりAir Force 1シリーズでは現在のところの最高値での取り引きとなっています。
このように、RTFKTのデジタルスニーカーに対して、高額な付加価値がついている人気ぶりが、RTFKTの特徴となります。
2023年4月24日から5月10日まで、“RTFKT x Nike Air Force 1”のNFTホルダー向けにフォージングイベントが開催されました。これによりフォージングをしたホルダーは、フィジカルのスニーカーを手に入れることができます。
(フォージングとは、NFTの保有者が、そのNFTをフィジカルアイテム(実際のスニーカー)に変換することを指します。)
“RTFKT x Nike Air Force 1”のフォージングイベントに関しては、下記の記事で詳しく解説しています。ぜひ読んでみて下さいね。
メタバースでの着用が可能
RTFKTのスニーカーは、コレクションするだけでなく、メタバースで着用できたり、AR(拡張現実)によって現実世界で履いているように見せることができます。
上記画像は、実際にクリプト系メタバースの「Decentraland(ディセントラランド)」や「The Sandbox(ザ・サンドボックス)で着用できるRTFKTのデジタルスニーカーです。
またRTFKTのデジタルスニーカーは、Snapchat等のアプリを使用することで、AR(拡張現実)で実際にそのスニーカーを履いているかのように見せることができます。
RTFKTのデジタルアイテムは、ゲーム開発エンジンで製作されている
RTFKTのデジタルアイテムは、ゲーム開発エンジン「Unreal Engine」で製作されています。
ゲーム開発エンジン「Unreal Engine」でつくる最大のメリットは、美しい動作のアバターやアイテムを作成できる点です。そして、そのアバターやアイテムを、ゲームやメタバースで活用しやすい点もメリットとなります。
Unreal Engineは美しいグラフィックが特徴のゲーム開発エンジンです。
「Fortnite」やPlay Station4の「Final Fantasy 7 Remake」などのゲーム製作や映画製作に活用されています。
RTFKTのデジタルアイテムは、ゲームやメタバースでの活用が前提になっているということですね。
保有しているNFTアイテムがメタバースで利用できることは、ホルダーにとって、とても大きいことです。
このように、RTFKTのデジタルアイテムがつくられるソフトが「Unreal Engine」であることは、特徴の1つとして挙げられます。
RTFKT(アーティファクト)が手掛ける「CLONE X(クローンエックス)」とは
CLONE X(クローンエックス)とは、RTFKT(アーティファクト)が手掛ける、「クローン化した人類」がテーマのNFTプロジェクトのこと。
メタバースへの実装を視野に入れた、ハイクオリティなアバターが特徴のプロジェクトです。
CLONE Xは、2021年10月にスタートしたプロジェクトですが、すぐに話題になるのは必然でした。
それは、このプロジェクトが、現代美術家の村上隆とのコラボレーションだからです。
Clone Xのキャラクターの目、口、髪型、服などのパーツを村上氏がデザイン。それぞれのパーツをランダムに組み合わせた2万個のアバターNFTが販売数となります。
上記画像(CloneX #4594)は、CLONE XのNFT作品の1つです。
こちらは、現在までの最高取引額が450ETH(約1億546万円 ※2023年3月20日時点の相場価格から算出)と驚愕の金額となっています。
ミント価格が0.5ETHなので、約900倍の価値となった計算です。おそろしい…
CLONE Xのプロジェクトは、とても人気があり、大きなプロジェクトです。
そのため、ここでは詳細を書くとキリがないので、簡単なご紹介だけにとどめさせて頂きます。
(CLONE Xについては別記事で詳細を書かせていただきますね)
CLONE X(クローンエックス)保有者への様々な特典
CLONE Xは、OpneSeaなどのマーケットプレイスで購入が可能です。
そして、このCLONE Xを保有しているホルダーには様々な特典があります。
- NFTギャラリーの利用権
- Dunk Genesis CryptoKicks等のデジタルスニーカー
- アバターやアイテムのカスタマイズ機能
- メタバース空間での3Dオブジェクトの生成
NFTアイテムや、それらをカスタムできるツール、ギャラリーの利用権がエアドロップとしてCLONE Xホルダーに送られました。
エアドロップとは、NFTや暗号資産を無料で配布することをいいます。
NFTをユーザーにプレゼントするという意味から「Giveaway(ギブアウェイ)」とも呼ばれています。
NFT潜在層ユーザーへのアプローチや、新規ユーザーの呼び込みなど、NFTマーケティングに活用されている手法です。
たとえば、MNLTH(モノリス)です。
RTFKTは、2022年2月にClone Xホルダーに対してMNLTH(モノリス)のエアドロップを実施しました。
Clone Xの保有数に応じて、Clone Xが入っているウォレットに直接送られたのです。
後日、RTFKTは、MNLTHの中身を発表しました。
MNLTHの中には3つのNFTが入っています。
- Dunk Genesis CRYPTOKICKS(デジタルスニーカー)
- Skin Vial(デジタルスニーカーをカスタムできるツール)
- MNLTH2(配布時点で中身がわからない別のモノリス)
このように、CLONE Xのアイテムを保有することは、単にそのアイテムの価値だけでなく、様々な特典がつく可能性がある、という付加価値があるのです。
RTFKT(アーティファクト)のコラボレーション
RTFKTは、世界的なクリエイター、企業からブランドまで、多彩なコラボを展開しています。
前述した、Nikeや村上隆以外にも、そうそうたるメンツとのコラボレーションをおこなってきました。
代表的なコラボレーションは5つ。
- RIMOWA
- Jeff Staple
- Apex Legends
- CryptoPunks
- LEXUS(トヨタ)
RIMOWA
ドイツのスーツケースブランド「RIMOWA(リモワ)」とのコラボレーションアイテムが2022年10月に発売されました。
スーツケースとアバター、2つのNFTが販売され、スーツケースのNFTホルダーは、実際のキャリーケースと交換が可能です。
RTFKT特別仕様の柄が、街中でもとりわけ目を引きそうですね。
Jeff Staple
ストリートファッションのキーパーソンの1人、Jeff Staple(ジェフ・ステイプル)。
そのJeff Stapleとのコラボレーションは、鳩のフィギュアとスニーカーです。
フィジカルでも、「STAPLE」と「Nike」のコラボレーションスニーカー「DUNK SB PIGEON」は大変な人気ですが、デジタルアイテムのこちらも即完売したアイテムとなりました。
Apex Legends
世界中で大人気のバトルロイヤルゲーム「Apex Legends」。
「Apex Legends」とのコラボレーションは、ゲーム内で登場する5人のキャラターをイメージしたスニーカーです。
こちらは、実際のフィジカルスニーカーの限定販売となっており、発色の良さと、ストリート感が融合されたデザインが特徴。
CryptoPunks
2021年5月、CryptoPunks(クリプトパンクス)所有者のみが購入できるデジタルスニーカーがRTFKTより発売されました。
CryptoPunks(クリプトパンクス)は、8ビットスタイルで描かれたピクセルアートが特徴のNFTプロジェクトです。
総発行数は1万点で、その1つ1つが異なる「タイプ」と「属性」の組み合わせを持つ、唯一無二のものとなっています。
NFTのブームにおいて、火付け役となったコレクションの1つであり、今でも高値で取引されているプロジェクトです。
RTFKTは、CryptoPunksに合わせ、1万点のスニーカーNFTを制作しました。
このNFTは、CryptoPunksのホルダーのみ購入権利が与えられました。
LEXUS(トヨタ)
レクサスは、2021年モデルの発売を記念して、RTFKTとワンオフスニーカーを制作しました。
カラーリングやタイヤ等の部品から着想を得て、RTFKTがデザインしたこの1足。
販売はされていませんが、こういったフィジカルのコラボレーションも積極的に行っています。
RTFKT(アーティファクト)の作品の購入方法
RTFKTのNFTアイテムを手に入れるためには、OpenSeaなどのマーケットプレイスでアイテムを購入するか、エアドロップで入手するかのどちらかになります。
エアドロップでの入手の場合は、すでにエアドロップされる可能性があるNFTアイテムを保有していることが前提となるので、まずはOpenSeaでの購入から始めましょう。
RTFKTのデジタルアイテムを購入するためには、大きく5つの手順があります。
- 暗号資産(仮想通貨)取引所の口座開設をする
- 暗号資産(仮想通貨)取引所でイーサリアム(ETH)を購入する
- 購入したイーサリアム(ETH)をメタマスク(デジタルウォレット)に移す
- メタマスクとOpenSeaを接続する
- 購入したいNFTのページにアクセスして、購入する
下記の記事で、画像付きで口座解説の方法、イーサリアムの買い方、メタマスクへの送金方法を解説していますので、ぜひ参考にしてみて下さいね。
まとめ
今回は「デジタルファッションブランド・RTFKT(アーティファクト)」について、徹底解剖してまいりました。
NFTやメタバースの知識がないファッションギークの人も、興味が沸いてきたのではないでしょうか。
RTFKTに関しては、コラボレーション数やプロジェクトが非常に多く、詳細を語りだしたらキリがないほど精力的に活動しているブランドです。
今回は、基本的な部分を中心に書きましたが、「CLONE X」についてや、作品の購入方法等、また別記事で詳しく書かせていただきますね。
では、また。