2025年に入り、ますます進化の一途をたどる生成AI。
僕自身、ChatGPT ProやGemini Advancedを仕事にどう活かせるかを考えながら、生成AIを使っているようで生成AIに支配されているような日々を過ごしています。
そんな中、さわる頻度が少し減っていたMidjourney(ミッドジャーニー)が2024年12月のアップデートでパーソナライズ機能を実装していました。
Midjourneyのパーソナライズ機能とは、ユーザーの好みを学習し、生成される画像に反映させる機能です。
この機能を利用することで、プロンプトに詳細を指定しなくても、ユーザーの好みに合った画像が生成されやすくなります。
今回は、そんなMidjourneyのパーソナライズ機能「ムードモード」と「プロファイル機能」を深掘りしながら、イメージ通りの画像を手軽に作成するコツを解説していきます。
特に「ムードモード」を使うと、ほんの少しの設定で写真風からアニメ風、ファンタジー系まで、多彩なテイストを自在に切り替えられるんです。
これ、とても楽。
設定方法は簡単なので、サクッと使い方を解説して、活用事例も紹介していきますね。
では、いきましょう!
Midjourneyのパーソナライズ機能とは
Midjourneyのパーソナライズ機能とは、ユーザーの好みを学習し、生成される画像に反映させる機能です。
2024年12月中旬に実装され、ユーザーは複数のムードボードやプロファイルを作成し、アップロードした画像を基に画像を生成できるようになりました。
パーソナライズ機能には2種類あります。
- ムードボード(自分で選んだ画像をアップロードし、AIに学習させることで、特定のスタイルや雰囲気を持つ画像を生成できる)
- パーソナライズプロファイル(ユーザーの好みを学習するプロファイルを複数作成・組み合わせることができる)

自分がよく生成する雰囲気の画像を学習できたら最高だな…と常々思っていたので、僕にとっては神実装でした(笑)
これらの機能により、生成体験は大幅に向上し、より直感的に「自分の理想に近い画像」を作れるようになりました。
Midjourney ムードボード機能の使い方について
ムードボード機能は、自分の好みやスタイル画像を複数登録して、AIにその雰囲気やスタイルを学習させるための機能です。
この機能を活用することで、特定の雰囲気やテーマに沿った画像を効率的に生成できます。

ムードボードは複数の作成ができるので、僕自身は、「油絵イラスト」「墨絵イラスト」「4K風景画像」のようにテイストをわけて活用しています。
ムードボードの作成方法
では、ムードボードを作成いきましょう!

まず、MidjourneyのWeb版にログインし、左側メニューの「Personalize」から「Create Moodboard」を選択します。

ムードボードの作成画面が表示されるので、参考にしたい画像をムードボードに追加していきます。
(推奨40枚以上、最大100枚まで)
画像の追加方法は、以下3種類です。
- Upload Images:手元の画像ファイルをアップロードする。
- Add from Link:オンライン上の画像のURLを入力する。
- Add from Gallery:過去に生成した画像が保存されているギャラリーから選ぶ。

ムードボード上部で名前が設定できるので、わかりやすい名称に変更してみましょう。
僕は、今回は「Shaolin World(少林世界)」にしてみました(笑)。

今回は、過去にMidjourneyで生成した少林寺やカンフーの世界観の画像を40枚選んでみました。
以上でムードボードの作成は完了です。
ムードボードの使い方
つづいて、実際にムードボードを使っていきましょう。

「Personalize」から画面上部にある「Personalization On」を有効化し、該当ムードボードの左側チェックボックスにチェックを入れます。
これで設定は完了です。(簡単!)
試しにプロンプトを投げてみましょう。
プロンプトは、以下で生成してみます。
A long-haired Japanese boy in a kung fu outfit is training, illustration
(カンフー着をきた長髪の日本人少年が修行をしている。)

プロンプト入力欄の右にある設定ボタン(紙ひこうきマークの右隣)で希望の縦横比やモデル、スタイル、多様さなどを希望に合わせて設定します。

「Stylization」を高い数値にすると、指定したムードボードの画風がより高精度に反映されるイメージです。
「Variety」は、生成される4枚の画像の多様さの数値なので、今回は少し低めで設定しました。
最後に「Personalize」が該当ムードボード「On」に設定されているかを確認し、生成ボタンをクリック。

イメージ通りの少年‼ いい感じです。

ムードボードに追加している上記画像の世界観と見比べると、世界観が揃っていることがおわかり頂けると思います。
補足ですが、該当ムードボードにチェックを入れなかった場合でも、以下の手順でそのムードボードをパラメータとして指定可能です。

ムードボード枠にマウスオーバーすると、「Use Moodboard」が表示されるので、そちらをクリックします。

ちなみに…「View Creations」を選択すると、そのムードボードを使用して生成した過去の画像一覧が表示されます。

プロンプト入力欄に、該当のムードボード用パラメータが表示されます。

表示されたパラメータの前に、プロンプトを投げることで画像が生成されます。

やたら美青年なカンフー男子が生成されましたね(笑)。
Midjourney パーソナライゼーション プロファイルの使い方について
次に、「パーソナライゼーション プロファイル」機能の使い方についてご紹介します。
「パーソナライゼーション プロファイル」は、Midjourney側より提示される画像から自分の好みを選択し、AIに学習させる仕組みです。
僕個人としてのムードボードとの使い分けですが、ムードボードは、特定の画風や世界観で画像生成したい時。
「パーソナライゼーション プロファイル」は、好みの範囲内で、新たな発想の画像に出会いたい時に使うイメージです。
プロファイルの作成方法
では、プロファイルの作成手順をサクッと説明していきます。

「Personalize」のメニューを開き、「Create Standard Profile」をクリックします。

画面にランダムに表示される2枚の画像のうち、どちらが好みかを選択していきましょう。
これを最低40回行うことで、基本的なプロファイルが完成します。

40枚の選択が終わると、プロファイルの学習を終了するか、さらに多くの画像を選んで学習を続けるかを選べます。

僕は、ややせっかちなので、40枚で切り上げましたが、より自分好みな画像を生成したい人は学習を続けることをおすすめします。
以上でプロファイル作成は完了です。
プロファイルの使い方
作成したプロファイルは、現状2つの使い方があります。
1. パーソナライズで作成したプロファイルを選択し、On(有効化)にする

上記画像の赤枠部分をOnにすることで、使用したいプロファイルが適用された画像が生成されます。
2. パーソナライズメニューから該当のプロファイル「Use Profile」を選択する

「Personalize」のメニューを開き、該当のプロファイル「Use Profile」を選択すると、プロンプト入力欄に、「–p ●●●…….」のようなパラメータが反映されます。
複数のプロファイルを組み合わせて使用する場合、プロンプト末尾に「–p ●●●…….」のパラメータを区切ってそれぞれ追加しましょう。
これらの方法で簡単にプロファイルを使って画像を生成することができます。
プロファイルの活用事例
では、パーソナライゼーション プロファイルの活用事例をご紹介します。
実のところ僕自身は、ムードボードを活用する事が多く、あまりパーソナライゼーション プロファイルを活用することはありません。
使用するケースがあるとすれば、以下2パターンです。
- 生成したいテーマは決まってないけど、なんとなく自分好みなイラストを生成したい時
- 好みの範囲内で、新たな発想の画像に出会いたい時
僕は、解像度が高すぎず、やや抽象的でぬくもりのあるイラストが好みなので、その雰囲気のプロファイルにしています。
たとえば、以下のプロンプトをパーソナライゼーション プロファイルを有効化した状態で投げてみます。
プロンプト
Stylized cat outline, Within that outline is a beautiful depiction of the scenery and memories that the cat has seen, illustration
(スタイルのいい猫の輪郭。その輪郭の中に、その猫が見てきた景色や、思い出が美しく描かれている。イラスト。)
すると…


わぉ!とてもよきです。
自分が普段は生成しないようなテイストですが、とても好みな猫のイラストが一発で生成されました。
プロファイルの活用としては、他にも、チームでの共有(メンバーで生成画像のトンマナを揃えられる)、複数のプロファイルを組み合わせて新たな表現を模索する際にも重宝します。
ぜひ試してみてくださいね。
おわりに
今回は、Midjourneyのパーソナライズ機能である「ムードボード機能」と「プロファイル機能」について、活用事例をまじえながら解説しました。
普段から画像生成AIを使っている方なら、この機能が神機能だという事を実感できたのではないでしょうか。
僕は画像生成をする際、Midjourneyの他に、Image FXやGenSpark、ChatGPT(Dall-E 3)などを、用途に合わせて使い分けていますが、アート性の高い画像生成をするなら、Midjourneyが一番です。
くわえて、Midjourney Web版のスムーズなUXも大きな魅力です。
「最近、Midjourney触ってなかったなぁ。」という方は、ぜひこのパーソナライズ機能を使ってみてくださいね。
このchannelIVYでは、今後も生成AIに関する情報を中心に、実体験ベースで発信していくので、ぜひお楽しみに。
では、また!